ドラマ日記 『ライオンの隠れ家』(初回)
平穏な日常を過ごしていた小森洸人(柳楽優弥さん)と自閉スペクトラム症の弟・美路人(坂東龍汰さん)が、謎の男の子「ライオン(佐藤大空さん)」と出会ったことで、“ある事件”に巻き込まれるヒューマンサスペンス『ライオンの隠れ家』の初回。
市役所勤務の小森洸人は、自閉スペクトラム症の弟・小森美路人と凪のような平穏な生活を送っていた。そんなある日、二人の前に突然「ライオン」と名乗る謎の男の子が現れる。洸人に届く差出人不明のメッセージ。一体ライオンは何者なのか?
冒頭とラストがつながる構成はよくある手法。山梨県の山中を、逃げているような母と息子。川の上の吊り橋に靴を並べ、息子の首を絞めるかのような仕草で無理心中かと思わせますが…ラスト、この母親役が尾野真千子さんと判明。ドラマのトーンを決める不穏シーンでした。
オリジナル作品の為、初回で初めて知ることも多く。洸人と美路人には、数年だけ一緒に過ごした異母姉弟の愛生(宮﨑優さん→尾野さん)がいて、食の嗜好からライオンの母親の可能性。愛生の行方不明届を出した橘祥吾(向井理さん)への、ライオンらに対するDV疑惑はミスリードか?
ちなみに宮﨑さんは来年世界配信される、佐藤健さん企画・主演のNetflix『グラスハート』でヒロインに抜擢されている注目女優。『往生際の意味を知れ!』では車椅子の三女を演じていました。
「安定は死」という言葉があります。弟のために平穏無事なルーティーン生活を送ってきた洸人でしたが、恐らくは愛生が送り込んできたライオンの登場により一変。正解なんて誰にもわからないけれど、「違う景色」が見たくなった洸人。
一方、「自由」を求めて、家出した愛生のその後の人生はどうだったのか。名曲「翼をください」の歌詞にあるような「悲しみのない自由な空」なんて、どこにも存在しないのかも知れません。
TBS金曜ドラマらしい高品質ドラマと判断しました。オノマチが出ている時点で見逃せるはずもなく、視聴継続。
余談:NHK『スイッチインタビュー』の「ヤマザキマリ×ファビオ・ルイージ」回は、なかなか深くて面白かったです。