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それでも「失恋ソング」は生まれ続ける

近年、「若者の恋愛離れ」ということがよく言われます。厚生労働省によると、交際経験なしの20代男性は69.0%、交際経験なしの20代女性は77.8%だそうです。なかなか凄い数字ですね。

一方、「男女共同参画白書令和4年版」によると、20代男性の4割、20代女性の25%はデートをしたことがないと回答。この数字の違いは、デートはしてみたものの、交際には至らずということでしょうか。

恋愛の優先順位が下がっているとか、経済的にゆとりがないなど、様々な理由はあるのでしょうが、潜在的な恋愛需要はあるのかなと。例えば、現時点で自分が把握している地上波夏ドラマ39作品の内、恋愛絡みが17作品と約半分。万葉集の約半分も恋の歌。人間の本質は基本に変わらないものかと。

現代においても「恋愛ソング」はたくさん作られていますが、幸せな時期を描いたものより、個人的には「失恋ソング」の方が名曲が多い印象。人前でイチャイチャしたカップルを見ていると、石をぶつけたくなる方だからですかね(笑)。

交際経験はなくても、恋をした経験がない人は少ないでしょう。これまたマーケティング会社のデーターがあります。失恋したことがある人の割合が71.5%、失恋したことがない人の割合が28.5%だそうです。対象年齢が15歳~49歳ですので、若者限定ではありませんが、失恋経験者多し。

「失恋ソング」といっても、世代・シチュエーション・男目線&女目線など様々なタイプがありますが、思いつくままに古い方から挙げていきましょう。まずは、中島みゆきさん初期の代表曲「わかれうた」(1977年)。この歌で暗いイメージを持たれたみゆきさんですが、深夜のラジオ番組「オールナイトニッポン」で完全に払拭しました。

楽曲提供者としても、数多くの「失恋ソング」の名曲を産んだみゆきさん。柏原芳恵さんの「最愛」(1984年)なんて最高。みゆきさん自身もセルフカバーアルバム『御色なおし』で歌っていて、これまた秀逸。

男性ボーカル曲も挙げてみましょう。広い意味では「失恋ソング」だと思う浜田省吾さんの「片想い」。元々はアルバム『Illumination』(1978年)の収録曲でしたが、評判が良かったのか後にシングルカット。昔はラジオからよく流れていましたね。切ない、切なすぎる。

地元久留米市出身の松田聖子さんからは2曲。松本隆さん作詞・呉田軽穂(=松任谷由実)さん作曲の「瞳はダイアモンド」。もう一曲は松本さん作詞・大村雅朗さん作曲の「SWEET MEMORIES」。共に1983年の楽曲で、振り返ってみると彼女の絶頂期であったなと。

1990年代に行ってみましょう。森高千里さんには「」(1990年)という名曲もありますが、より好きな「渡良瀬橋」(1993年)を挙げておきます。愛していても、諸般の事情で結ばれないことはままあるものです。

宇多田ヒカルさんの「First Love」(1999年)は、多くの人にとっても忘れ得ぬ「失恋ソング」の代表格。満島ひかりさんと佐藤健さんW主演のNetflixオリジナルドラマ『First Love 初恋』もいつか見たいなと思いつつ。

2000年代からは男性ボーカルを2曲。まずはサスケの「青いベンチ」(2004年)。「失恋ソング」であると同時に「青春ソング」。歌詞の甘酸っぱさときたら。もう二度と戻ることのない、あの時代への郷愁。もう一曲はスキマスイッチの「」(2004年)。彼らの代表曲ですよね。

最後は平成と令和が入り混じる2019年、あいみょんのアルバム『瞬間的シックスセンス』の収録曲「恋をしたから」。原点回帰というか、昭和的というか、恋ってそういうもんだよね、と思わせる佳作。これがハッピーエンドだったら、奥華子さんの「魔法の人」。この曲も大好きですけどね。

余談:木村拓哉さん主演の『Believe-君にかける橋-』が、昨夜放送の第9話で最終回。明らかに駆け足で丸々1話分を短縮した印象。井上由美子さんの脚本なので、粗が出ないようにはしてはありましたが、ちょっと勿体なかったですね。何か事情があったのでしょう。

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