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ドラマ日記『海のはじまり』(第3話)

大学時代、同級生の南雲水季(古川琴音さん)と付き合い、別れた月岡夏(目黒蓮さん)。7年後、水季が亡くなり、海(泉谷星奈さん)という娘がいたことを知り、さらにその父親が自分だと聞かされて…親子の愛を通して描かれる家族の物語『海のはじまり』の第3話。

夏は実家に電話し、母のゆき子(西田尚美さん)に「話があるから家族全員集まって欲しい」と告げる。その話を聞いた父・和哉(林泰文さん)と弟の大和(木戸大聖さん)は、夏と百瀬弥生(有村架純さん)の結婚報告ではないかと盛り上がり…。

生前の水季が、海の身長を測るシーンからスタート。「すくすく」という言葉が中盤の母子手帳につながる構成。

改めて南雲家を訪れた夏に、海は大喜びで大興奮し、寝落ち。帰ろうとする夏を朱音(大竹しのぶさん)が引き留め、水季が不妊治療の末に生まれた子であったことや、夏の選択肢を奪いたくないので、水季は知らせずに海を産んだことなどを明かしました。

今度は弥生と共に南雲家を訪れた夏。海と3人で外出することとなり、朱音は夏に母子手帳を持たせ、「子育ての練習をしてください」と告げるのでした。

海が希望していたのは、水季が働いていた思い出が詰まった図書館。そこには馴染みの津野(池松壮亮さん)もいて。津野と二人で話すことになった夏。

その物言いは感じ悪そうではありますが、水季の死を消化しきれていないということと、後に津野と弥生が二人の時に話したように、「疎外感」や「外野」という感覚に、寂しさや苛立ちを覚えているのでしょう。そして、それはむろん弥生も同じ。

南雲家に帰ってきた3人ですが、弥生が海の母親を担おうとしていると感じた朱音は、「子供産んだことないでしょ?」からの嫌味たっぷりな感じが、さすが大女優・大竹しのぶさんですね。視聴者からすると、弥生が中絶した過去を知るだけに、二重の意味で効いてくるセリフでした。

その後、今度は海が朱音に連れられて月岡宅へ。朱音は買い物へ出かけて、弥生を含めて3人だけ。元気そうな海に、悲しみを吐き出すよう強い言葉で奨める夏。号泣した海が、夏に抱き着く感動シーンというより、弥生の「疎外感」をより強く感じさせる演出でしたね。

弥生抜きで海に会いに行った夏。「パパになって欲しい?」という夏の問いに、「いなくならないで」と返した海。まだどうするべきか明確にはできないものの、海と一緒にいることを決意した夏でした。

不穏な次回予告。ゆっくりとしか何事も決められない夏と、疎外感の中での焦りもあるでしょうし、基本テキパキと結論を出していきたい弥生のテンポ感の違いが、二人の間に溝となって露呈する展開ですかね。好きな格言を一つ。

近づいても、近づいても、なお、ある距離が残る。それが全ての恋人たちの悲劇なのだ

身体を重ねようが、結婚しようが同じこと。絶海の孤島同士のように、自我の分だけ、人と人には距離は残る。

余談:昨日のNHK『土スタ』ゲストは、大河ドラマ『光る君へ』出演中の高畑充希さんと塩野瑛久さんでした。名場面も満載で、楽しかったです。「NHKプラス」で配信中。


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