俳優ノート『西島秀俊さん』
気になる俳優さんの出演作についての覚え書き「俳優ノート」。今回は、朝ドラ『おかえりモネ』に出演、主人公(清原果耶さん)が出会う気象キャスター役を演じる西島秀俊さん。
木村拓哉さんがまだ脇役だった、月9ドラマ『あすなろ白書』(1993年)の同性愛者役で注目された西島さん。事務所移籍したことから、5年間ドラマ出演が途切れますが、北野武監督の『Dolls』(2002年)の主演に抜擢されてから再浮上。
そんな西島さんの朝ドラ初出演作が『純情きらり』(2006年)。宮崎あおいさん史上、最高に可愛い本作。西島さんは、宮崎さん演じる桜子の義兄となる画家の冬吾役。二人は精神的に惹かれ合う関係になるという、見る人によっては問題作ですが、西島さんが実に魅力的でした。
昭和初期から激動の戦中戦後、さまざまな試練や戦火を乗り越えて、音楽への夢と愛を貫くヒロイン・桜子の波乱万丈の人生を描く。舞台は愛知県岡崎と、芸術家たちが集まる東京の下宿先。おてんばであるが、けなげに生きる桜子を宮崎あおいがいきいきと演じ、多くの共感を呼んだ。
『ジャッジ 〜島の裁判官奮闘記〜』(2007年)や『チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋』(2010年)を経て、西島さんの人気を不動のものにしたのが『ストロベリーナイト』シリーズ(2010-2013年)。上司である姫川(竹内結子さん)を支え、密かに想う菊田役が最高でした。
警視庁捜査一課に所属する敏腕刑事・玲子(竹内さん)と彼女が率いる、通称“姫川班”の個性豊かなメンバーたちが、難事件に挑む刑事ドラマ。息もつかせぬサスペンスに満ちたストーリーだけではなく、登場人物の悩みや悲しみ、葛藤も深く描く。
以降、『MOZU』シリーズ(2014、2015年)など、主演作が増えていった西島さん。『きのう何食べた?』(2019年)の傑作でいいのですが、最後は意表をついて『ブランケット・キャッツ』(2017年)。猫と西島さんの組み合わせを考えた人、天才。癒される。
亡き妻(酒井美紀さん)が遺した猫の新たな飼い主を探すため、ブランケットと共に2泊3日でトライアルされる7匹の「ブランケット・キャッツ」。猫の飼い主探しをする謎の家具店店長(西島さん)と幼馴染の獣医師(吉瀬美智子さん)が、猫を通じて人々の人生に小さな光を灯します。