ドラマ日記『ミステリと言う勿れ』&『恋せぬふたり』(初回)
身に覚えのない殺人容疑をかけられた大学生・久能整(菅田将暉さん)が、取り調べを受ける中、事件のヒントや刑事たちの悩みに気がつき、事件を解決する『ミステリと言う勿れ』の初回。鬼の目にも涙ならぬ、藪(遠藤憲一さん)の目にも涙…。
整は、朝から自宅アパートでカレーを作っていた。そこにアパートの大家が刑事の薮と池本(尾上松也さん)を連れて現れる。薮は付近の公園で寒河江(藤枝喜輝さん)の遺体が発見されたことを整に伝え、警察署へ任意同行を求めた。
人気コミックが原作なだけに、キャスティング発表の際には「久能は渡部豪太さんがよかった」など、いろいろ言われた菅田さんでしたが、見事な役作りと演技でそんな声を覆した感。初回視聴率も13.6%と、好スタートを切りました。
巻き込まれ型の安楽椅子探偵のキャラが特徴の本作ですが、それだけに脇を固めるキャストも重要。風呂光役の伊藤沙莉さんは、初回は抑え目ながらきっちりと役割を果たし、復讐心から犯罪に手を染めた藪役の遠藤さんの涙もよかったなあ。
ただ、最近『王様のレストラン』をTVerで見ていたせいか、筒井道隆さんの現在とのギャップが…。あと、尾上松也さんは『まったり!赤胴鈴之助』を見たばかりで(笑)。ラストは次回に引っ張る形で、バスジャック事件&永山瑛太さん登場。ここ2作は不作だった月9が本気を出してきました。
恋愛もセックスもわからない・したくない「アロマンティック・アセクシュアル」の男女2人(岸井ゆきのさん&高橋一生さん)が始めた同居生活と、周囲への波紋を描くラブではないコメディ『恋せぬふたり』の初回。これは傑作の予感。
恋愛を前提としたコミュニケーションになじめない咲子(岸井さん)。会社の後輩が企画した「恋する〇〇」キャンペーン商品を見にスーパーへ訪れた時、店員の高橋(高橋さん)から「恋しない人間もいる」と言われハッとする。
連ドラの初回は重要とよく言われますが、中でも最初の5分は最重要。そういう意味で、冒頭の高橋さんの「いると思いますよ、恋しない人間 」のセリフまでの流れが完璧で、グッと掴まれました。また、咲子の伏線を経てのラスト、高橋「なめてる?」で、これは勝った、当たりドラマだと確信。
昨今、「多様性」という言葉が乱発され、本当の意味でそれを実現する覚悟もない人間たちが「絶対正義」のように言う風潮にはうんざりしていますし、ドラマでも取り上げられることが多いテーマではあるのですが、本作はより丁寧に、かつ意外な視点から切り込んでいて新鮮でした。
咲子の親友役の小島藤子さんは、同性愛がテーマの『百合だのかんだの』に出てました。妹役の北香那さんは、前クール『アバランチ』で町工場の娘を好演。父役の小市慢太郎さんが出てくると、何か裏がありそうですが、今回は違うみたいです。今クール、月曜日が楽しみです。