ドラマ日記『推し武道』『PICU』『つまらない住宅地のすべての家』(初回)他
マイナー地下アイドルを全力で応援する熱狂的ファン・えりぴよ(松村沙友里さん)の姿を熱く、切なく、尊く描くドルオタ青春コメディ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』の初回。
フリーターのえりぴよは、地元・岡山のマイナー地下アイドル・ChamJamのメンバー・市井舞菜(伊礼姫奈さん)に人生の全てを捧げる熱狂的なアイドルオタク。一方、メンバー内人気最下位の舞菜は、えりぴよに対して、緊張のあまり目を合わせることすらできず、塩対応してしまう日々…。
ChamJamのチラシをもらったえりぴよが、恋に落ちるがごとく舞菜推しとなり、あっという間に5秒1000円の握手券を大量購入するドルオタとなる展開が早過ぎて、そこに至る経緯はじっくり描かないんだなと。『だから私は推しました』と比べながら見ていました。
北海道の駆け出しの小児科医・志子田武四郎(吉沢亮さん)が、先輩医師・植野元(安田顕さん)と共にどんな子供も受けいられるPICUをつくるため奔走するメディカル・ヒューマンドラマ『PICU 小児集中治療室』の初回。
北海道出身の武四郎は、新米小児科医。丘珠病院・PICUの新設メンバーに選ばれた喜びも束の間、科長・植野によって集められたのは訳ありの医者ばかりで…。
物語は2019年、研修医を終え、幼馴染らと楽しく過ごすキャンプシーンからスタート。道中、車の中でぐったりする少女を見かけた武四郎は、後に彼女が人気子役の星野沙羅(諏訪結衣さん)で、急病のため搬送されたものの、急変し死亡したことを知り…。
そして2022年。北海道知事の鮫島(菊地凛子さん)の要請を受け、植野を中心にPICUがつくられるのですが、スタッフは武四郎含めわずか4人。そんなところに、新たな患者・神崎鏡花(磯村アメリさん)が運び込まれるのですが、植野らの処置も空しく死亡。
直後にミーティングを始めた植野に対し、「人が一人死んでしまってるんですよ!」と涙する武四郎に、「まだ皆の記憶が新しい内に、正しい情報が集められる今の内に考えるんです」と、人の死を無駄にしない医師のありようを示す植野。
彼女を初診した山田透(イッセー尾形さん)に会いに行った植野と武四郎。帰り道、鮫島知事がPICU設立を考えるきっかけが、実は武四郎が知事に送った手紙だったことが判明するという序盤の伏線回収。未熟な彼がなぜPICUに呼ばれたのかも明らかに。
患者を助けるというのが医療ドラマの常道なのに対し、初回からいきなり二人の少女が亡くなるという、思い切ったストーリー展開が目新しく。これは骨太のいい作品になりそう。
吉沢さんの熱い演技に大河ドラマ『青天を衝け』が思い出され。安田さんは今回は変人役ではなく、頼りになる医師役を重厚に演じていて安心感。菊池さんは『鎌倉殿の13人』のイメージがまだ強く(笑)。脚本の倉光泰子さんは、前クール『純愛ディソナンス』も良かったので期待。
住宅地を舞台に、ちょっぴり残念な主人公・丸川明(井ノ原快彦さん)と、クセのあるご近所さんたちが巻き起こす、スリリングなのにユーモラスなホーム・サスペンス・ドラマ『つまらない住宅地のすべての家』の初回。
埼玉県にあるどこにでもありそうな住宅地。そこに様々な事情を抱えた人たちが住んでいた。ある日、女子刑務所から一人の女囚が逃げ出し、住宅地に向かっていることがわかる。自治会長の丸川明はいままでかかわりのなかった住宅地の人々に交代で「見張り」をしよう、と提案する。
NHK「夜ドラ」枠で始まった本作(1話15分)。冒頭、映画泥棒的な脱獄シーンからスタートし、丸川宅の朝食シーンへ。イノッチが料理していると『あさイチ』の頃を思い出しますね。
様々な事情を抱えているらしい地域住民たちを、顔見せ的に紹介した第1話。恐らく5分版ダイジェスト(「NHKプラス」で視聴可能)を先に見た方が、ドラマ本編に入りやすいのかなと。夏川結衣さんと尾美としのりさんに恋愛模様!?楽しい作品になりそうです。
9日放送の『鎌倉殿の13人』は、本編放送を休止して「応援感謝!ウラ話トークSP〜そしてクライマックスへ〜」と題したスペシャル番組を放送しました。出演は小栗旬さん、小池栄子さん、坂口健太郎さんら。
司会の佐久間宣行さんによる、三谷幸喜さんへのインタビューも面白かったですし、大泉洋さんの代役で、急遽小栗さんが後姿の頼朝を演じたという裏話も。最終回がどうなるのか、期待を煽りに煽ったSP回でした。