ラジオ日記『アシタノカレッジ』(武田砂鉄編)
radikoプレミアムを利用するようになってから、TBSラジオの関東ローカルしか放送されていない番組を聴く機会が増えました。
朝から順に、政治的立ち位置は、『生島ヒロシのおはよう一直線』は日和見的、『森本毅郎・スタンバイ!』は床屋政談、『伊集院光とらじおと』はバランサー、『赤江珠緒たまむすび』はテレ朝風、『荻上チキ・Session』は冷静な理論派、という感じでしょうか。
かつては『久米宏 ラジオなんですけど』という長寿番組もあったんですが、昨年謎の終了。久米さんらしい、ユーモアと皮肉交じりの政権批判や五輪反対論がなかなか面白かったんですけどね。ちなみに、例の感染症発生前から、尾身さんや西浦さんをゲストに招くという先見性もありました。
そんな中、毎週聴いているのが、武田砂鉄さんが担当する金曜日の『アシタノカレッジ』。『ビートたけしのオールナイトニッポン』で育った世代なので、荻上チキさんよりも、毒があって偏屈な砂鉄さんのトークがしっくりくるんですよね。
「水に流す」のが美徳と思っているのか、半年前のことすら、すっかり忘れがちな日本人が多い中で、一つのテーマを取り上げ続ける“しつこさ”も魅力。“プレミアムフライデー”と“アベノマスク”に、今もツッコミに入れ続けています(笑)
6月18日の放送では、菅総理の64年東京五輪思い出話を踏まえ、「東京オリンピック 文学者の見た世紀の祭典」という本を紹介。当時の40人の文学者たちの声を集めたルポルタージュ集で、二人の言葉を引用していました。
小田実さん「政治は、オリンピックの間、昼寝をしていたいという人たちをまるで非国民扱いし、ジャーナリズムは政治に乗っかって、その人たちを怪しからん存在として扱い始めた」
中野好夫さん「これだけの金、これだけの努力が、もしこの十年、国民生活の改善、幸福の方へ向けられていたら、どんな結果が生れていたろうか」
57年前の東京五輪もバラ色一辺倒ではなかったという証左であると共に、今回の五輪のことを言っているようにも読めるという皮肉。ちなみに、今回のゲストは『クローズアップ現代』のキャスターだった国谷裕子さん。そういえば、彼女の『クロ現』降板についても、色々取り沙汰されていましたね。