悠人の告白と幼馴染たちの揺らぎ…『今週の『舞いあがれ!』
東大阪市と長崎県・五島列島を舞台に、空高く飛びたいと夢見る舞(浅田芭路さん→福原遥さん)が、パイロットになるべく努力を重ね、やがて夢の飛行機作りに情熱を燃やす朝ドラ『舞いあがれ!』の第19週「告白」。
悠人(横山裕さん)のインサイダー取引疑惑報道を受け、めぐみがIWAKURAの社員を集めて謝罪した月曜日。悠人がIWAKURAの危機を救ってくれたことを知る社員たちからは温かい言葉。リストラから復帰したパートの女性からは「(人の噂も)75日の辛抱です」と。
そんな中、連絡が取れなかった悠人は、通称“柏木公園”で雨の中倒れてしまい…。『あさイチ』朝ドラ受けで、博多大吉さんは「刑事ドラマなら殉職シーンですよ」と。
柏木公園で倒れている悠人を、久留美(山下美月さん)の父・佳晴(松尾諭さん)が発見し、家まで運んだ火曜日。帰宅した久留美が、即座に処置。悠人は命を取りとめました。ここにきて、佳晴の元ラガーマン、久留美の救命救急看護師設定が活きました。久留美&悠人の恋愛フラグ立ちました。
駆け付けためぐみと舞に対しても相変わらず頑なだった悠人でしたが、亡父・浩太(高橋克典さん)の残したノートに、自分を認めていくれていた記述を発見し。
やっと仏壇の前に来ることができた悠人。仕事も信用もなくし、亡父との話し合うチャンスも二度と取り戻せないと後悔を語り、号泣。そこにめぐみが寄り添い、「取り戻せるものもある」と悠人の言葉を上書き修正。横山さんの名演に涙。
ちなみに、今週の脚本は桑原亮子さんで、演出は小谷高義さん。小谷さんはこれまでも、第6週「スワン号の奇跡」と第12週「翼を休める島」を担当。どちらも当たり週でした。
悠人が実家に戻り、めぐみにカレーをリクエストした水曜日。浩太との思い出を語る悠人の表情は穏やかに。東京に戻った悠人は、警察に出頭。裁判の結果、懲役3年執行猶予5年の判決(&罰金と巨額負債)を受けました。
デラシネで、舞が貴司に「ええ友達やなあ」としみじみ語り、返しで貴司が告白!?するかと思ったそのタイミングで、貴司の短歌が好きだと言って現れたのが秋月史子(八木莉可子さん)。
八木さんは映画『イチケイのカラス』では花屋の娘役で出演。ドラマでいうと、『僕たちがやりました』では窪田正孝さんの妹役、『チア☆ダン』では土屋太鳳さんの親友役、『鎌倉殿の13人』では時政(坂東彌十郎さん)とりく(宮沢りえさん)の娘で、平賀朝雅(山中崇さん)の妻役でした。
史子が自分の短歌を、貴司に読んで欲しいと頼んだ木曜日。貴司は史子の短歌やその姿勢に共感。史子は感激のあまり涙。それを複雑な表情で見ている舞。帰り際、舞にだけ聴こえるように「奥さまですか?」と尋ねる史子。舞が否定すると「よかった」と笑顔。舞の恋のライバル登場。
その話を久留美にすると「貴司くんと秋月さん、どんどん仲良うなるかも知れんで。ええの!?」と言われ、顔を曇らせる舞。その夜、物産展の前乗りで「うめづ」にやってきた五島の面々。一太(若林元太さん)は、意気投合した百貨店の百花(尾本祐菜さん)への気持ちを舞に伝え…。
編集者・リュー北條(川島潤哉さん)のダメだしの場に居合わせるほど、史子が貴司に接近していた金曜日。久留美の「貴司くんのこと、好きなんやろ」というさらに踏み込んだ問いに、「友だちでおりたいねん。もし告白してしもうたら、今の関係には戻られへんやんか」と恋心を認めた舞。
あらゆる人間の関係性は揺らぐもので、永遠とも思われた絶対的な信頼関係にあった幼馴染の舞の貴司でしたが、史子の登場であっさりと揺らぎが生じ。『3年B組金八先生』第1シリーズの「十五歳の母」で流れたアリス「秋止符」が思い出されます。綺麗ごとだけでは済まない男女というわけです。
次週予告だけではストーリーは詳しくわかりませんが、サブタイトルは「伝えたい思い」。誰が、誰に、何を…。貴司がリュ―北條に、史子が貴司に、舞と貴司が互いに、何かを伝えるのかな。