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ドラマ日記『ザ・トラベルナース』&『わたしの宝物』(初回)

医師でもなく、集団でもないフリーランス看護師としてさまざまな街を渡り歩く、名もなきトラベルナースたちが《卓越したスキル》と《生きる哲学》をもって患者とその家族、周囲の医療従事者をも救っていく人間ドラマ『ザ・トラベルナース』の初回。

歩(岡田将生さん)は目の前で突然倒れた横柄な男・大田黒(内藤剛志さん)を新たな勤務先「西東京総合病院」へ搬送する。ところが…実は大田黒、汚職を重ねた末に同院から締め出された元院長だった!

同じような役が続くと、俳優の固定したイメージが視聴者に着くもので、内藤さんは刑事ドラマが多いので、今回の高飛車な役は久々でしたが、考えてみれば、本作にも出演している安達祐実さん主演の『家なき子』の虐待オヤジですからね。山崎育三郎さんも、イメージを裏切る悪役かな。

歩と喧嘩別れした静(中井貴一さん)でしたが、「西東京総合病院」近くに「おむすび脈屋」を開業しており、太田黒も常連。急変した彼を、裏から手をまわして、一番弟子の神山(風間俊介さん)に手術をさせて成功。それに気が付いた看護部長・塔子(寺島しのぶさん)が、静のナース復帰を強要。

帰国してホテル暮らしだった歩ですが、紹介された住居は「おむすび脈屋」の真上。しかも、そこは「西東京総合病院」の看護師たちが多数住んでいるところで…。前クールを引き継ぐ安定の面白さに加え、新たな設定も新鮮味が出そうですし、手堅いスタートだったと思います。

「托卵」を題材に、“大切な宝物”を守るために、悪女になることを決意した1人の女性・神崎美羽(松本若菜さん)とその夫・宏樹(田中圭さん)、そして彼女が愛した彼・冬月稜(深澤辰哉さん)、3人のもつれあう感情を完全オリジナル脚本で描く恋愛ドラマ『わたしの宝物』の初回。

神崎美羽はやりきれない現実を生きていた。外面は良いが、乱暴な言葉をぶつけてくる夫の神崎宏樹と冷えきった夫婦生活を送り、いつの間にか偽物の笑顔を振りまく自分自身に嫌気が差していた。

『おっさんずラブ』の遅咲きブレイク以来、基本いい人キャラの田中圭さんが、モラハラ夫をしっかり演じていてここは高評価。元々は愛し合っていた妻ながら、仕事で磨り減ると人は変貌するものだという好例。自分が忘れていた妻の表情を見て劣情し、家庭内レイプに及ぶ宏樹。

一方の松本さんは、序盤『西園寺さんは家事をしない』のキャラを少し引きずっているように見えましたが、見る側のイメージかも知れません。冬月に魅力を感じないせいか、二人が結ばれるエピソードに説得力ありませんでしたね。田中さんを圧倒するようなキャスティングが必要だったなと。

『あなたがしてくれなくても』のさとうほなみさんが出演しているので、何かしら波乱の種になりそう。美羽と齢の離れた親友・真琴(恒松祐里さん)は、宏樹と不倫関係になる展開と予想します。


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