映画日記『リボルバー・リリー』
定期的に映画館で映画を観る新習慣の第27弾。今回は、8月11日公開『リボルバー・リリー 』。主演は綾瀬はるかさんで、共演は長谷川博己さんほか。監督は『GO』『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲さん。
大正末期の1924年。関東大震災からの復興で鉄筋コンクリートのモダンな建物が増え、活気にあふれた東京。16歳からスパイ任務に従事し、東アジアを中心に3年間で57人の殺害に関与した経歴を持つ元敏腕スパイ・小曽根百合は、いまは東京の花街の銘酒屋で女将をしていた。しかしある時、消えた陸軍資金の鍵を握る少年・慎太と出会ったことで、百合は慎太とともに陸軍の精鋭部隊から追われる身となる(「映画.com」から引用)。
少し回り道を。ドラマ版『世界の中心で、愛をさけぶ』で代役ブレイクした綾瀬さん。映画版は行定監督&長澤まさみさんですが、ドラマ版は堤幸彦監督らが演出し、ベストセラー小説の実写化で、映画&ドラマ共に傑作となった稀有な例。
いちばん好きなシーンは第1話。夏、高校の教師が亡くなり、学級委員の亜紀(綾瀬さん)が弔辞を読むことに。すると突然強い雨が降り出します。他の生徒が軒下に避難する中、亜紀だけは実直に弔辞を読み続ける。凛とした表情で。そんな亜紀に傘を差しかける朔太郎(山田孝之さん)。
綾瀬さんはコメディエンヌやアクション女優など、様々な顔を持っていますが、自分はこの「凜」とした綾瀬さんが至高だと思うのです。完全無欠の「凜」ではなく、グラビアモデル出身の「甘さ」を内包しつつの「凜」とした表情が大好物。
「凜」といえば、綾瀬さんが主演した大河ドラマ『八重の桜』。賊軍の汚名を着せられた会津藩は徹底抗戦。鶴ヶ城籠城戦では、綾瀬さん演じる八重も男装して入城。スペンサー銃で戦うのですが、ここでも「凛」とした佇まいが素晴らしく。
以下、ネタバレあります。
今回の映画は、アクションや華麗なる銃裁き、過去のトラウマに苦悩する表情、色気漂うサービスカットなど綾瀬さんのこれまでのキャリアの集大成ともいえますが、やはり「凜」とした綾瀬さんが最高です。
百合は正面突破し過ぎ、陸軍も弱過ぎなどリアリティーの欠如は突っ込みどころではありますが、結構楽しめました。最近ドラマではあまり見ない喫煙シーンや残酷シーンもしっかり描かれ、印象に残りました。
慎太役のジャニーズJr.羽村仁成さんは重要な役を良く演じていました。『俺の家の話』で長瀬智也さん演じる主人公の息子を演じていた少年です。長谷川さん演じる岩見もカッコいいですし、野村萬斎さんや豊川悦司さん、鈴木亮平さんなど贅沢な使い方でした。
後に連合艦隊司令長官となる山本五十六が大佐として登場。阿部サダヲさんが演じています。終盤、百合が山本にあることを問います。それに対し、「10年開戦を遅らせ、日本が生き残る道を探る」というような趣旨のことを言います。第二次ロンドン海軍軍縮会議での決裂を避けたかった山本ですが、結局は戦争に突入するという史実。
岩見が言うところの戦争の「矛盾」と合わせて考えれば、10年以内に日本が戦争に巻き込まれるかもしれないという若者が多数を占める中、現代の日本人に響くメッセージでもありました。
余談:今朝の『あさイチ』プレミアムトーク、浜辺美波さんゲスト回。なかなか面白かったですが、特にVTR出演した波多野役の前原滉さんと藤丸役の前原瑞樹さんが、浜辺さんに翻弄されているそうで、テロップに「もて遊ばれたおじさん2人」の文字が可笑しかったです。
また、浜辺さんが朝ドラ初出演した『まれ』の映像もたっぷりと見せてくれました。浜辺さんと姉妹役を演じた恒松祐里さんは、後に『全裸監督2』や朝ドラ『おかえりモネ』に出演。『まれ』の評判はあれでしたが、人気女優たちの若き日が見られる貴重な機会でした。
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