戦時色の深まりと母の死…今週の『ブギウギ』
銭湯「はな湯」の看板娘から“ブギの女王”と呼ばれる戦後の大スターになっていく花田鈴子→福来スズ子(澤井梨丘さん→趣里さん)が、暗い戦争の時代や、燃えるような恋と別れなどを乗り越え、人々に勇気と希望を与えていく朝ドラ『ブギウギ』第8週「ワテのお母ちゃん」。
時代が昭和14年(1939年)となり、戦争の影が梅丸楽劇団にも落ちてきた月曜日。移籍した松永(新納慎也さん)に替り、新たな演出家になった竹田(野田晋市さん)は、国策に沿って地味な舞台にしたい様子。不満そうなスズ子。
同じ頃、スズ子の母・ツヤ(水川あさみさん)の体調はさらに悪化。しかも、弟の六郎(黒崎煌代さん)には召集令状が届いてしまい。時代の流れの中で、それを無邪気に喜ぶ六郎が悲しい。
一方、羽鳥善一(草彅剛さん)と妻・麻里(市川美和子)の馴れ初めとプロポーズエピソードが癒しタイム。「アイスコーヒー」×30日からの「ナイスコーヒー」(笑)。
ツヤの病気が助からないものだと判明した火曜日。スズ子と六郎には秘密にするよう口止めされた梅吉(柳葉敏郎さん)でしたが、喜々として戦争ごっこに興じる六郎に思わず大声を出してしまい。
出征前夜、ツヤに甘えに来た六郎と、二人の会話を聴いている梅吉の表情が絶妙でした。翌朝、「はな湯」の常連さんとともに、六郎を送り出す梅吉の目には涙。そんな六郎でしたが、突然東京のスズ子のところへやってきて。
出征するとしばらく会えないからと、六郎がスズ子に会いに来た水曜日。当初は赤紙をスズ子に見せ、「すごいやろ!」と明るい表情でしたが、夜になり姉弟で枕を並べていると、「頭がおかしなりそうになる」と不安を口にし。スズ子の布団に潜り込み、「死にとうないわ!」と本音を吐露。
再び大阪からスズ子に電報が届き、ツヤ危篤の知らせ。スズ子はその旨、劇団に報告するも、演出家の竹田(野田晋市さん)からは「舞台を生業とする者は、親の死に目に会えないと思っていただきたい」とピシャリ。
同席した羽鳥はスズ子の心情に理解を示した上で、「むしろ、自分の苦しい心持ちを味方にして、いつもよりいい歌だなんて言われるぐらいじゃなきゃ、僕は駄目だと思う」と優しくも厳しい羽鳥流。スズ子は舞台に立つことを決意し、「センチメンタル・ダイナ」を熱唱。
舞台を終えたスズ子が大阪に駆けつけた木曜日。ツヤの容態は相変わらず悪かったものの、アホのおっちゃんが見つけてきた桃のお陰で、一瞬元気になり番台に座りますが、すぐに倒れ。
まだ死んで欲しくないスズ子と、すでに達観したツヤの会話が続く中、梅吉がスズ子に歌うよう後押し。スズ子は幼い頃いつも歌っていた「恋はやさし野辺の花よ」を涙ながら歌い。満足げなツヤはその後、ナレ死。幸せな姿のまま逝く演出が良かったですね。
スズ子と梅吉が「はな湯」を畳む決意をした金曜日。常連客を集め、廃業を説明していると、ゴンベエ(宇野祥平さん)を知っているという三沢光子(本上まなみさん)が現れ。元々は大店の若旦那(伊福部玉五郎)だったものの、家業を傾け行方不明に。
生前ツヤが書いた尋ね人のビラを頼りに訪ねてきたのでした。光子は200円の持参金と共に玉五郎にプロポーズ。玉五郎も受け入れ、彼の貯金200円と合わせて400円で「はな湯」を立て直し、受け継ぐことに。大阪編最後だけに、吉本新喜劇風なドタバタ劇にしたのは、スズ子の最愛の人への伏線か?
スズ子と東京で暮らすことになった梅吉。戦争が終わるまでは悪いことが続きそうですね。
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