“抱擁”のバージョンアップ…今週の『おかえりモネ』ほか
先週のコインランドリーでの抱擁シーンの続きからスタートした、朝ドラ『おかえりモネ』第17週「わたしたちに出来ること」。週末の放送回ラストは、バージョンアップした抱擁で終えました。
「あと1分」「見せつけますか?」と、これまで不器用で、遠慮がちだった菅波先生(坂口健太郎さん)が一気にデレ&オス化した月曜日。火曜日には合鍵渡しで一気に進むと思われましが…スーちゃん(恒松祐里さん)&内田(清水尋也さん)に新たなカップルの予感。
水曜日、視聴者からの「説得力がない」という指摘に悩んできた莉子(今田美桜さん)に追い打ちをかけるように、内田をお天気キャスターにする動き。木曜日、ブチ切れた莉子へ、高村(高岡早紀さん)デスクが名言。今なお、旧態然たる“男社会”のテレビ局への皮肉でもあり。
「やめなさい。仕事に優劣つけてるならそれは失礼よ。」「自分で自分をおとしめるのもやめなさい。もうそういう時代じゃない。」「私みたいなのはなんて…言っちゃダメよ。誰よりも、自分があなた自身で、実力で勝負できるって信じなさい。信じられるぐらいになりなさい。」「あなたが闘う場所は、私が死守するから」
金曜日、多忙な菅波先生とのすれ違いを、仕方ないことと慮りつつも、残り少ない東京での二人の時間にモヤモヤしていたモネ(清原果耶さん)が、ついに思いをぶつけ、タックルからの抱擁。これまで度々、空間認識能力不足に描かれてきた「#俺たちの菅波」がナイスキャッチな伏線回収でした。
本作の大きなテーマ「(震災の)当事者&非当事者」問題ですが、莉子を絡めた「傷ついた経験ある&なし」問題を描くことで、より一般化。内田の「生きてきて何もなかった人なんていないでしょ」や、菜津(マイコさん)の「人は傷つく必要なんかない」が安達奈緒子さんなりのメッセージか。
戦中世代からは「近頃の若い者は、戦争を経験してないからダメだ」と言われ、就活では「理不尽なことに耐えてきた体育会系」が優遇され。今でも学校は、集団生活で「もまれる」場所として、必要不可欠と信じている人が多数…モヤっとした時には、亜哉子(鈴木京香さん)の言葉が一番かな。
「正しくて、明るくて、ポジティブで前向きであることが、魅力にならない世界なんてクソです!」「陰が魅力だとか、不幸が色気だとか、そういう安っぽい価値観で汚さないでください!」
続いては、全裸で発見された漂着者・通称ヘミングウェイ(斎藤工さん)の周りで、不審な事件が次々起きていく衝撃作『漂着者』第7話。女子高生3人組にも疑念が。
柴田(生瀬勝久さん)は、ヘミングウェイを一連の事件の容疑者だと疑いながらも、その能力が本物ならば12年前に行方不明になった娘に会わせてほしいと訴える。そんな中、再び女児誘拐事件が発生!なんとその被害者は、新潟県警の捜査一課長・佐々木(岩谷健司さん)の娘だった――。
今週も伏線回収されることなく、さらに謎が散りばめられた感。とはいえ、ヘミングウェイが第六感の遺伝子を受け継いでいて、未来を変えられる能力もあるということは、ほぼ確定。あと、ローゼン(野間口徹さん)の一族が、1400年前から預言者を待ち続けていたという話も、一応本気話っぽい。
物理的かつ犯行的に、女児誘拐事件の犯人とヘミングウェイ周辺で起こった殺人事件の犯人は別かな。前者の野間(戸塚純貴さん)犯人説はあり得そうですが、フラグの可能性も。秋元康作品だけに、詠美(白石麻衣さん)犯人説も捨てがたい。全9話なので、あと2回。納得できるラストだといいなあ。