連ドラにおける“恋愛要素”問題
朝ドラ『舞いあがれ!』は第8週に入り、脚本家がメインの桑原亮子さんから嶋田うれ葉さんに一旦バトンタッチ。作風の違いにネット民がざわつく中、「恋愛要素(ラブコメ)はいらない」という声もチラホラ。
ドラマの種類は多種多様で、「恋愛要素」薄めの刑事・医療ものから、「恋愛要素」が主となるラブストーリーまでさまざま。さらに、作品ごとにその濃度も違いますが、近年はこの「恋愛要素はいらない」という意見をよく見かけるようになりました。
記憶に残るのは『コード・ブルー』のシーズン3(2017年)。脚本家が林宏司さんから安達奈緒子さんに交代し、恋愛要素が多めになったことで、それまでのドラマファンからバッシングされていてちょっと驚きました。
最近の例ですと、菅田将暉さん主演の『ミステリと言う勿れ』(2022年)。菅田さん演じる久能整に、女性刑事の風呂光聖子(伊藤沙莉さん)が、恋心を抱くという原作にない描写に、原作ファンからは「恋愛要素はいらない」と不評を買いました。
令和を生きる若者からすれば、何が何でも「恋愛要素」を入れて来るのは「昭和の価値観」&「昭和のオヤジ(制作陣)」ということになるのでしょう。「トレンディードラマ」世代としては、耳が痛い話ではあります(笑)。
連ドラにおける「恋愛要素」問題で、半歩先を行っているのはNHK。今年、『恋せぬふたり』では、他者に恋愛感情も性的欲求も抱かない「アロマンティック・アセクシュアル」の男女を描いていましたし、『プリズム』では恋愛を超えた男女、あるいは男男の新たな関係性が模索されました。
これまたNHKで11月29日から始まる『作りたい女と食べたい女』。女女の関係性がどう描かれるのか、連ドラにおける「恋愛要素」問題を考えながら待ちたいと思います。