
ドラマ日記『コトコト~おいしい心と出会う旅~』&『財閥復讐』(初回)
風変わりな百貨店バイヤーの結稀宏人(古川雄大さん)が、日本各地の“おいしい”を探して旅へ出かける。その旅の中で出会う、訳アリな人たち。宏人の作るおいしいスープが、出会った人たちの心を温め溶かしていく『コトコト~おいしい心と出会う旅~』の初回。
結稀宏人がやってきたのは、富山県。海の幸豊かな射水市の漁港を訪れると、仲買人の遥来(葉山奨之さん)と漁師の壮太(濱尾ノリタカさん)の幼馴染二人が、魚の売り方をめぐりもめていた。
昨年、NHKBSで放送されていたドラマを、NHK総合「夜ドラ」枠でスタート。富山編と新潟編を2週にわたって4夜連続放送。主人公は47都道府県を周っている設定ですから、今後まだまだ続くようで、群馬編の制作は決定しています。
どうして富山編が第一弾だったのか。それは恐らくドラマ内でも語られ、地元民が言いがちな「富山には何もない」という思い込みを逆手に取ったのでしょう。観光地として名高い長野や石川に劣等感があるけれど、実際には地元民も知らない(あるいは認識していない)魅力にあふれていると。
初回は主人公が遥来に案内されて、食材探しに県内を周るも、なかなかこれといったものが見つからず…というところで終了。とはいえ、出てくる料理はいずれも美味しそうですし、全編ロケの映像が美しい。
伊勢財閥の次男・由貴也(渡邊圭祐さん)は、運命の女性・絵理香(瀧本美織さん)と出会い、結婚。しかし絵理香は、由貴也の兄・雅之の子を身籠もり、兄と再婚。“サレ夫”が復讐を誓う、痛快無比な復讐劇、令和のリベンジドラマ『財閥復讐~兄嫁になった元嫁へ~』の初回。
幼い頃、伊勢財閥の次男として引き取られた由貴也は、愛人の子供だと家族から虐げられて生きてきた。由貴也はホワイトハッカーとして働きながら、数々の不正取引の証拠を集めていく。一族の醜態を世間へ暴露することで復讐を果たし、最愛の妻・絵理香と二人で幸せに生きていくはずだった…。
本作には二人の朝ドラ主演経験者が出ています。一人は『てっぱん』(2010年)の瀧本さんで、当時は天真爛漫なイメージでしたが、近年は悪女役が板についてきました。
もう一人は由貴也の母で、自殺したとされる沙織を演じる村川絵梨さん。『風のハルカ』(2005年)のヒロインでした。この時、父親を演じたのが渡辺いっけいさんで、本作では由貴也の父にして伊勢財閥グループ会長という役どころですから、かつての父娘が、本作では愛人関係という、時の流れを感じるキャスティングです。
不正告発直前、絵理香から兄の子を妊娠した告げられ、離婚を要求された由貴也。妻なので気を許していたんでしょうが、詰めが甘かったですね。序盤の由貴也との甘甘シーンが前フリとして効いていて、終盤の絵理香の豹変と悪女ぶりが際立っていました。