ドラマ日記『青天を衝け』(最終回)
“日本資本主義の父”と呼ばれる、渋沢栄一(吉沢亮さん)の激動の人生を描く、大河ドラマ第60作『青天を衝け』の最終回。孫・敬三役の笠松将さんが、大抜擢といっていい役割を担いました。
関東大震災が発生。栄一は、内外の実業家に寄付を呼びかけ、救援の最前線に立つ。数年後、91歳になった栄一は、ラジオを通して自らの思いを伝えるため、気力を振り絞ってマイクの前に立っていた。
関東大震災の際に内外からの寄付を呼びかけ、資金を集めた栄一。数年後、中国の大水害に対して、なかなか寄付が集まらないことから、ラジオで呼びかける展開。血洗島の頃に学んだ、父母の教えをわかりやすく説いた、最後の名スピーチでした。
「手を取り合いましょう。困っている人がいれば助け合いましょう。人は人を思いやる心を、誰かが苦しめば胸が痛み、誰かが救われれば温かくなる心を当たり前に持っている。助け合うんだ。仲良くすんべぇ。」
知る人ぞ知る、若手実力派俳優の笠松さんが孫役で大活躍。孫から見た栄一をナレーションで語ると共に、追悼式では軽妙なスピーチ。最後は、若き日の栄一と邂逅し、言葉を交わすシーンも。
笠原さんは、昨夜の『岸辺露伴は動かない』第4話のメインゲストで登場。また、来期ドラマ『ムチャブリ!わたしが社長になるなんて』にもレギュラー出演しますので注目です。
さて、最終回を迎えた『青天を衝け』。吉沢亮さんは大抜擢に十二分に応えた熱演で見事でした。草彅剛さんの慶喜役もハマっていましたし、堤真一さんの暗殺シーンには涙。一年完走できたので、まずまずの大河だったのかな。何より、新札発行前に渋沢栄一の予習が出来ました(笑)。
蛇足:現在、TVerで『王様のレストラン』(1995年)の第1話から3話まで配信中です。脚本家・三谷幸喜さんの初期の傑作ドラマ。同時期に『古畑任三郎シリーズ』(1994年~)がスタートしています。
主演は最盛期の松本幸四郎さん(現:松本白鸚)。オーナー役に筒井道隆さん。『あすなろ白書』(1993年)の頃の雰囲気あります。シェフ役で山口智子さん。翌年、『ロングバケーション』で人気を不動のものに。バーメイド&愛人役で鈴木京子さん。三谷さんのお気に入り女優なんですよね。
三谷さんが主宰した「東京サンシャインボーイズ」出身の西村雅彦さん、梶原善さん、伊藤俊人さん(『ショムニ』の人事課長役。40歳で死去)のほか、小野武彦さんや白井晃さん、田口浩正さんなど名脇役だらけ。ナレーションは森本レオさんで、服部隆之さんのOP曲が印象的。今見ると、少しゆっくりとしたテンポですが、色んな意味で面白いなと。