AIvs教科書が読めない子どもたち 著:新井紀子
昨日はクロスバイク購入して初の遠出。海沿いサイクリング気持ちよかったけど、一日で75kmほど走って筋肉痛…笑
さて、今回はAIを耳にすることも多くなったこの時代に、読んでおきたい1冊かなと前から気になっていた本について。
「教科書の読めない子どもたち」というタイトルに、塾で授業していると読解力が課題だな感じることもあり、この本で何かヒントになることがあればと思って選んだ。
結論から言うと、基礎読解力と生活習慣、学習習慣、読書習慣などとの相関は見られず、どのようにして習得するか科学的な研究はいまのところないという…
ただ、AIの仕組みなど気づきもあったため、記事を書こうと思う。
*AI≠AI技術
まず始めに著者が説明していたことが、AI≠AI技術であり、現在「真の意味でのAI」は存在しないということ。
AIは人工知能、知能を持ったコンピュータという意味だが、一般的にAIと言われいてるものはAIを実現するために使われる音声認識技術や画像処理技術などAI技術を指す。
だから、コンピューターが自ら知能を持って何かをすることはなく、そういう意味ではAIが奪う仕事は限られているのかなと思う。
実際にAIによってなくなる仕事と言われているものは、マニュアル化しやすい仕事、ホワイトカラーの事務系仕事などが多い。
(わたし思いっきり事務系だな(-_-))
*AIは意味を理解しない
AIは、あくまでも計算による答えを出力しているに過ぎない。つまり数学的に表すことが出来ない事はAI技術として使用できない。
そして、AIは意味を理解する訳ではないので、考えることは必ず人間がするし、AIを導入する過程でルーティン作業のマニュアル化などは必須とされるだろう。
AIが意味を理解せずに、統計と確率によって処理している例として、「この近くのおいしいイタリア料理の店」と検索しても「この近くのまずいイタリア料理の店」と検索しても、ほぼ同じ結果が出てくると紹介されている。
おいしいやまずいの意味は理解せずに、「近く・イタリア料理」などのキーワードで統計による結果を出しているだけというのが理由。Siriで検索するときに、わざわざ「まずい」料理屋を調べることはないから、この程度の処理で問題は生じないと予想できる。
*基礎読解力の低下(RST)
リーディングスキルテストと言われる読解力を問うようなテストを実施した結果、中学生・高校生の正答率が低かったそう。
サンプル問題はこんな感じ。
[問1]次の文を読みなさい。
仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。
この文脈において以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
オセアニアに広がっているのは( )である。
①ヒンドゥー教 ②キリスト教 ③イスラム教 ④仏教
※正解は②キリスト教
この問題、中学生の38%、高校生の29%が不正解であった。
そのため、教科書を読めない(理解しない)子どもたちが多いのでは?という著者。ただ、この点は過去の時点と比較して低下しているとかそういったことではなさそう。
でも実際に高校入試対策などの授業をしていると、少し応用の文章題などが出ると解けないという生徒も少なくない。とはいえ、限られた時間で入試対策となると結局パターン学習になってしまう。
読解力を身に付けることと入試対策を両立するにはどうすれば良いのだろうか。
答えのでないまま読み終えてしまったが、なにか良い方法があれば知りたいので情報収集をしつつ、こういった課題があることを頭に入れて接するようにしよう。