泥のように眠りたい。(#021)
今日わたしが帰宅後に書いたメモが以下。
***
ティーアへ
ティーア、今日は久しぶりにOCD(強迫性障害)の症状が出たね。いっしょうけんめい震えを止めようとしてよくがんばったね。自分のことで大変なのに、私を気遣って、言葉で説明しようと努力したり。ありがとう。でも、今は泥のように眠りたい。
***
私はこういうメモを書く習慣がある。「誰か宛て」ふうに書くがあくまで自分が後で読むためだ。書くと・気持ちが吐き出だせて大事なことを忘れずに済む。何がどうだったのかを後で分析するとっかかりになる。
この後、ベッドで1時間・泥になった。
ティーアは毎週2時間・お絵描きプライベートレッスンを受けてる女の子だ。私のところに通うようになってもう3年くらいたった。今年で二十歳になる。
彼女について書いた以前の文章はこちら。https://note.com/akolamble/n/n4b8eb2ea75b5
昨日の文章で「わたしは調子に乗っている」ことを書いた。そして、予想通り、調子乗ってた枝が折れて地面に落ちている。日本語を絞り出している。英語はもっとダメ。ま・いっさ。そのうちまた持ち上がる周期になる。
3ヶ月ぶりくらいに、ティーアの発作が出た。そういう時は気分を変える手伝いをする。彼女が今やっていることをやめさせて、彼女の好きな漫画やグラフィック・ノベルを手渡して、お茶入れてくるからね、と言ってその場を離れる。そうすれば、私のことを気にせず「自分自身」になって、症状と対決することができるから。
お茶を入れている間、私の頭はフル回転で、何が原因だったかについて考えている。今朝入ってきたときから「おはよう、私とても疲れてるの」とあくびが出てた。たぶん疲労も原因のひとつだ。私にもひとつ原因があった。彼女が自分で考えて直した手の位置・形が明らかにおかしい。それを指摘した。そのあたりから彼女が震え出した。こういう指摘が効果的に働く場合も多い。「あ、そうね。じゃあ、こうするのはどう?」と触発されて彼女の方からアイディアを出してくることもある。今日はそうはいかなかった。
もうこの時点で私は彼女と同じくらいにどっと疲れている。彼女の後にもうひとつレッスンがあるのに、持つのだろうか。
私の課題は、生徒が抱える疲労や問題を認識しても、距離を保って自分のエネルギーを保持すること。それがまだよくできない。感情移入の悪い例だ。誰も得しない。
もうこの文章自体が、将来の自分へのメモみたいになっちまったな。ごめん、みんな。枝から落ちるとこんなもんさ。
今日のえんぴつ画は、ティーアが描いた絵の模写だ。気持ちを落ち着かせるために震える手で描いたお絵描き。「たいへんよくできました」。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?