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ノイズ・キャンセリング(#156)

となりの部屋に若いカップルが住んでいる。私たちが引っ越してきたときに挨拶した。彼らも私たちより少し前に引っ越してきたのだと言った。感じの良さそうな人たちだ。

しかし、夫も私もすぐに何かおかしいと気づいた。まず、ものすごい量のオンラインショッピングをしていることがわかった。奥さんの名前で毎日のように買い物した商品が届く。なんでそれがわかるのかというと、不在の時には荷物が一階の出入り口の床に置かれているからだ。そこを通るたびにもしかしたら、私たち宛に何か届いてるかもしれないと思って、いちおう小包の宛名をチェックする。その時にわかるのだ。

しばらくの間、本当に毎日、彼女宛に小包が届いていた。そして、ときどき夜遅くに大声で夫婦喧嘩しているのが聞こえる。奥さんが買い物依存症で、夫がそのことにキレていたら・・・。大丈夫かな。まあ、夫婦喧嘩くらいはうちだってするし、どこの家庭でもあることだから、私たちのしったこっちゃない。心配なのは、家庭内暴力とかそっちの方だ。

引っ越す前の住まいでは、上階で泣く幼児の声が気になってしょうがなかった。ちょっと、泣く時間が長すぎるな、大丈夫かな。虐待とかないかな、などと心配した。何事もなかった。

階下の部屋には若い娘さんとお母さんが住んでいる。そしてよく喧嘩している。娘のどなり声が聞こえる。ドアがバタンと大きな音を立てて閉められる。

基本的に私は「ひとりロックダウン」ができる。あるいは「ひきこもり」できる。1ヶ月なんて楽々。1年だってできるかもしれない。だが、問題は、お隣さんの物音で余計な心配をすることだ。そういう音を遮断するために、家にいるときもずっとAirPodsをして音楽聴いたりポッドキャストを聞いてる。

11月も半ばになると、買い物する人たちで街がざわつきはじめる。いろんな人の小包が届く。毎年この時期は心に決める。できるだけいろんなことに距離を置いて・静かに年末年始の夏を過ごそう、と。なかなかそう上手くいかないのはわかっているのだが。

あなたは夏の年末年始を過ごしたことがある?気温が上がるだけで、忙しさがゆるむような気がするのでいいっすよ。あなたの想像力が私の武器。今日も読んでくれてありがとう。

えんぴつ画・MUJI B5 ノートブック

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