2024/08/25
「これはどういうことなんだろう」
思わず漏れた声が土曜の夜の自室に溶けていく。入眠剤としての効果を期待して読んでいた小説が思いがけず難解で、しかもその難解さが予想とが違った性質を持っていたために、頭を捻らずにいられなかった。どうも選ぶ作品を間違えてしまったようだと切り捨てることは簡単だったが、しかし理解の及ばないことが悔しくて、僕は横たわっていたベッドから立ち上がって冷蔵庫へ向かった。冷やしておいた麦茶を口に含む。その味はいつもと変わらないのに、飲み込むのに時間がかかった。