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読書履歴 〜小林早代子 『たぶん私たち一生最強』〜
「もうさー、一生女友達と暮らしたいんだよね最近は!」と始まった、20代後半の割に幼いようなかしましい女4人組の、ふざけすぎたおままごとみたいな暮らし。
だけど不登校の姪っ子と、その母親との交流以降、人生の選択肢の現実感が増す。
自分が主役の人生に飽きて子どもが欲しくなるというのは、正直よく分かる。
選ぶ未来に脅迫されるはずもないのに、勝手に焦れて不安になって、追い詰められてしまう。
結局私たちは、ないものねだりから逃れられないのかな。
章のタイトルが好き。
「ニーナは考え中」
「考え中」っていいなと思った。不登校中だけど、学校へ行かない方がいいと結論付けるか「まだ考え中」。テキレイキに結婚してないけど、結婚しない方がいいと結論付けるか「まだ考え中」。
ゴールから逆算した歩き方だけじゃなくて、立ち止まって、真っ白な未来を考えてもいいんだよね。
「よくある話をやめよう」
よくある話なのだろう。付き合いの長い恋人と家族みたいになりセックスレスになる。そんな中で浮気発覚ー。
その悲しみはよくある既存の悲しみだとしても、自分だけのもの。
プロローグで描かれていた、明るさに満ちた始まりの続きは最終章で。
全方位満たされる人生なんて無理だけど、ほかの誰かが欲しがっているものではなく、自分の欲しいものを立ち止まって考えることはできる。そう思うだけで、元気になれるかも。