劇団四季『ウィキッド』:0118観劇記録

2025年1月18日観劇。


大阪7回目かな。
然程、回数見ようとしてなくても増えてきましたねぇ。

今回は大阪初登板の平良さん、鈴木さんが目当てでした。

●席の話

C席。充分見やすいです。
周囲はほぼお一人様。観劇慣れしてる方ばかりで、環境も良かった。

●ウィキッドはハッピーエンドなのか

山本グリンダ×三井エルファバの組み合わせ、すごく個人的なツボでして…マジでバカほど泣いてしまうんですよねぇ、、、
中山グリンダの時は晴れ晴れしく感じるラストシーンでさえ、山本グリンダだと誰も報われない現実が強調されるような気がして胸が締め付けられてしまう。これ、どちらが好みかが分かれそうな気がしています。
でも敢えてクソデカ主語を使うと、なんとなく日本人(もしくはオズ要素を削って上演されている日本語版)において好まれるのは、この泣かすウィキッドなのかなぁとも思いつつ(オリジナル版っぽさはカラッとしてる方が近そう?)。
そもそも人生って単純ではなくて必ずしもハッピーエンドにはならなくて。すべてがパーフェクトにならない中で生きていくんですよねぇ。そのままならなさを改めて感じました。でもそんな中で道を選んだグリンダこそが希望なのかもしれない。

【キャストさん別感想】

●山本紗衣さん:グリンダ
本当にここまで好きになるとは思ってませんでしたね、ほんっっっとーーーに好き。

何度も何度も言ってますが、私にとって山本グリンダは「努力のグリンダ」。人に好かれるためにちゃんと努力"しなければならない"人。だからこそ、私にとっては感情移入しやすいグリンダです。
今回、ラストシーンで、最後まで涙をこらえて悲しく険しい顔をしたまま暗転していたのが印象的でした。正直、ツラい終わり方。でも、きっとグリンダは努力し続けて善い魔女であろうとするのだろうなぁと、そう信じたいなと思えるような。そんな印象でした。

あと、山本さんの声にならない(文字にも起こせない)息づかいがめちゃくちゃ好きなのかも…と気が付きました。
ダンスホールの「どうしよう〜」の前後とか、♪ポピュラー前、エルファバが自分の境遇を話すときに肩をさすりながら聞いているときとか…マイクにギリギリ乗るような息遣いが本当に本当に優しくて…。
相手に寄り添える優しさがとても好きです。

●三井莉穂さん:エルファバ
無邪気さと寂しさ、そして可憐さをあわせ持つ三井さんエルファバ。ヒロイン感が強めでとってもかわいい!
三井さんの歌唱は、演歌のこぶしのような細かいビブラートと、スタッカートのようにも聞こえる明瞭な発声が本当に魅力的。クラシカルな曲より、ポップス寄りの曲の方が合うような気がしていて、すごく個人的な好みだとエルサよりエルファバが好きですね〜!エルサも本当に素敵だけど!
やっぱり♪闇に生きるからの♪あなたを忘れないの流れというか、演技込みでの心の動きが繊細で好きなんですよ〜。
強さよりも無邪気さを感じるような、そんなエルファバなのかなと。過去の境遇を経てもなお、人との繋がりを諦めてないように感じています。

●松下由季さん:ネッサローズ
言葉を選ばずに言えば、総督になれる器ではないネッサローズだなと思いました。
もともとネッサは、とても優秀なはずで(グレムリーを出鱈目ながら読めたりとか)、慈愛の心も持っているはずなのに、きちんと準備する機会もないままに総督にならざるを得なかったのだなと感じます。余りにも「普通の女の子」すぎる。嫉妬に身を焦がしても、どこか等身大で共感できる人物像が、松下さんネッサの1番の魅力なのかなと思います。

●織笠里佳子さん:マダム・モリブル
もともと、わりと胡散臭さを隠さないモリブルだなぁと思っていた織笠さんですが、八重沢さんの極悪人モリブルを観てから、むしろ優しいマダムにみえてしまう…笑。
今回思ったのが、ネッサを殺すと決めたあの瞬間が、モリブルにとって最後の境界を越えてしまったタイミングなのかもなぁということでした。
あそこ、オズと腕を組んでゆったり捌けていくのが印象的ですけど、それが2人が最早引き返せない次元まで来てしまったようにも見えて、ゾワッとしちゃった。

  

●武藤洸次さん:フィエロ
やはり若さと情熱のあるフィエロ。
こうしたい!この道に進みたい!!という強い意志が魅力的なフィエロだなぁと思います。
真面目でどことなく悲哀があるので、絶対にエルファバが必要だったのもわかる感じ。
お歌が甘いんだよなぁ〜!!!台詞もひとたらしな感じがとても好みの塩梅。

●今村綱利さん:ボック
一途故の加害性が見え隠れするようなボック。
ボックは学生時代から「本心」を明かすことができないままで、最後の最後にネッサに対してあの発言をしてしまうわけだけれど、その結果が心のないブリキというのはやるせない。

●平良交一さん:ディラモンド教授
東京ぶりですね〜!嬉しい!!
とにかく抜群に良いお声が大好きです。唯一無二の低音ボイス。
威厳のある教授から、言葉を奪われた姿のギャップが本当に恐ろしく感じます。
「徹底的に脅されれば誰だって黙ってしまう」というのは、現代社会にも通じるような台詞と描写だなと、見る度に思うのです。これが古い描写と感じるようになるのが、本当は理想なのだろうね。

●鈴木涼太さん:オズの魔法使い
お初です!
そしてめちゃくちゃびっくりしてしました!

めっっっっっちゃ、かっこよくないですか!!???

悪役の魅力といいますか、セクシーさとコミカルさが抜群。例えるならライオンキングのスカーのような、、色っぽい男。
「国のトップに祭り上げられた空っぽの人物」ではなく、「自らの意思を持ち与えられたチャンスで上り詰めた狡猾な人物」に見えました。
根底には底しれない怖さがありつつ、でも表情や動きはコミカルで。国民から熱狂的に支持されるのもわかるし、♪ワンダフルでエルファバがグラつくのもわかる。

そう!♪ワンダフルがあまりにもあまりにも良くて…、多彩な声と舞台を一人で掌握する力。凄すぎる〜!!!

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