建設的対話における「信頼関係構築」
こんにちは、山田晃義です。前回までのnoteでは「建設的合意」とは何か?や「建設的対話」とは何か?について投稿してきました。
今回は、建設的対話のファーストステップであり、対話に欠かすことのできない信頼関係構築について書いていきます。
そもそも信頼関係とは何か
まず初めに信頼関係ってなんでしょうか。日本語には似たような言葉がたくさんあり、信頼と信用はよくほぼ同じ意味を表す単語として使われます。しかし英語だとtrustとcreditというように全く違う単語です。
細かい意味の違いを見てみると以下のようなものがありました。
また別のサイトでは、以下のような見解がありました。
このように信頼には双方向性が必要だといえます。私たちが研究実践している「建設的合意」「建設的対話」においても、信頼の形成は欠かすことのできないものと考えています。
なぜ建設的対話に信頼関係構築が必要なのか
それでは、なぜ建設的合意に信頼関係の構築が必要なのでしょうか。一言で述べると、相手の心理的安全性を確保した上で相手の本音を引き出すために重要だと考えています。
この心理的安全性がないと、本来下記画像の左の図のようにお互いの意見を組み合わせて大きな三角形を作れたところが、お互い本音を隠したり引き出せなかったりして結果右の図ように小さな三角形での合意形成しかできないリスクがあります。
次に本音を引き出すことの効果を建設的対話のプロセスを通じて解説します。
2つ目と3つ目のプロセスでは、信頼関係がないとヒアリングできる範囲が限定的になり、同じように自分が相手に伝える意見も限定的になってしまいます。
そして、このまま4つ目の擦り合わせのフェーズに入ってしまうと、先ほどの三角形の話のように理想から離れた限定的な合意形成になりがちです。
どのように信頼関係構築を行うか
では、どのように信頼関係を構築することができるのでしょうか。まず信頼関係には下記の2つの種類があると考えています。
初対面の人に対する信頼関係の構築
まず初対面の人と行う信頼関係の構築については、自分から先に相手を信頼する姿勢と相手に対して共感する姿勢の2つが挙げられます。
自分から先に相手を信頼するために、新卒で入社をしたキーエンスの時には「いかに相手に興味を持てるか、好きになれるか」を意識していました。不思議なもので、自分から相手を好きになろうと努力をすると相手も感じ取ってくれるのか、うまく関係性を結ぶことができ、その後の商談も好転することが多かったように思います。
そして、共感する姿勢については、賛成できない意見が出た時にも一度共感の姿勢を見せることで、相手に「この人なら正直に話しても受け止めてもらえる。」と思ってもらえる可能性が高くなります。特に相手が自分の提案に否定的な反応をした時に有効です。
共感については下のnoteにも詳しく書いてありますので、ぜひ読んでみてください。
既知の人に対する信頼関係の維持向上
信頼関係の維持向上については前提として「信頼関係はずっと簡単に積み上げ続けられるものではない。」と考えておくことが大事です。
少し上手くいかないと思った時には内省が効果的です。何か問題があった時に自分に矢印を向けて内省する姿勢を見せれば、その姿勢を見た相手も自ずと内省的になり、お互いに他責にすることなく信頼関係を育み続けることができます。
どのように信頼関係構築を行うのかについては目下実践しながら研究しているところなので、また追加の要素・変数があればご紹介します。もし読んでいただいた方で良い事例などありましたら是非コメントいただきたいです。
終わりに
今回は建設的合意における信頼関係の重要性について書いてきました。いろいろなやり方で相手と信頼関係を作り、より良い合意形成が促進されればと思います。普段はTwitterで建設的合意について発信しているのでよければ覗いてみてください。
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