"非専門職フリーランス"のお仕事
「フリーランス」の職種も最近かなり幅広くなっているけれど、それでも、エンジニア・デザイナー・ライターなど、専門性が高い職業のイメージが強いのではないだろうか。
実際、"ひとり"でやっていくとしたら、発注する側のニーズを考えても、自ずとそうなると思う。
一方私は、今よりもっと「フリーランス」が特別だった8年ほど前に、いわゆるフリーランスとしてひとりで受注できるような専門性を持たずに、フリーランスになった。
具体的にイメージできない、とよく質問されるので、私のような"非専門職"のフリーランスのお仕事について、具体的にご紹介したい。
非専門職≠スキルが無い
8年前まで、私は会社員だった。主に企画部門で、事業の関連法令改正や合併などの対応、バックオフィスの業務改善、基幹システムの要件定義などに携わってきた。プロジェクトを計画・推進したり、内部の調整をするスキルは身についている。
「非専門職でもフリーランス」といったときに、「スキルが無くても」と誤解されることがあるが、求められるスキルが無ければ、食いっぱぐれるのは「専門職フリーランス」と変わりない。
従来の「非専門職フリーランス」
「非専門職フリーランス」というはたらき方は、もちろん私が始めた新しい枠組みではない。例えば、経営層やそれに準じる経営参謀的なひとが請われて、一定の目的のために(例えば経営の立て直しや上場など)スポットで経営に携わったり、顧問をするのは、「非専門職フリーランス」と言えるんじゃないかと思う。(そこまでいくと、「経営」という専門性と言えるけれども。)
逆に言えば、これまでは、ゼネラリストが会社員以外で活躍するというと、そこまでの超ハイスキルが求められていたと思う。
超ハイスキルじゃなくても「非専門職フリーランス」
私がやっているのは、そこまでのハイスキルでなくとも、一般的な企業で培ったゼネラルなスキルを、フリーランスとしても活用していくこと。
とはいえ、プロジェクトを計画・推進したり、内部の調整をするような業務を、それ単体で業務として発注する企業は少ない。
しかし、チームで仕事を請けるとしたら、どうだろう。
プロジェクト単位で仕事を請ければ、そこにゼネラルな仕事は必ず発生する。
私の経験から、例を3つ挙げてみた。
これらはあくまで例示だが、これ以外にも個々の経験を活かしてチームで役割を担うことは十分に可能だと言える。
チームが成長の場になる
そのようにして、私自身、チームの中で様々な活動の場を与えられてきた。
例1のケースでは、それまで縁もゆかりも無かったWEBや広告の世界を知ることができた。
例2のケースでは、チーム運営を学んだ。長らく、有期プロジェクトばかりに携わっていたので、期限のないチーム運営は経験がなかったので、始めての経験だった。
いずれも、未経験の私個人に、その部分だけを切り出して発注する顧客はいないだろう。
ナラティブベースという法人があり、その中に経験者や専門職がいるからこそ、チームを組んで業務を請けることができる。
その中で、新たなチャレンジや成長を育むことができる。
枠組みのない様々なチャンスから、自分の専門性を見つける
チームの中で新たなチャレンジや成長を育むことができるというのは、会社組織でも同じことができる。しかし、会社には事業ドメインがあり、部署があり、職種がある。いち社員が、それを超えてあれこれチャレンジするのは難しい。
私たちのようなフリーランスチームの場合は、「ナラティブベース」の事業ドメインはありつつも、部署や職種に制限はないので、Aプロジェクトでは
自分の経験を活かして、Bプロジェクトでは全くの未経験分野に飛び込んで…ということが可能であることも魅力だと思っている。
枠組み無く、様々なチャンスに触れる中で、より興味があるもの、深めたいものに出会っていくことができる。
私の場合は、過去の経験を活かして、業務改善をお客様に提供したり社内で契約周りのチェックを担当したりしつつ、全く経験のなかった営業活動や経営そのものにチャレンジすることができている。バックオフィス一筋の会社員時代には想像もしていなかった未来だ。
会社員とフリーランスの間にある働き方を作りたい
労働人口が減るとともに、終身雇用が終焉を迎えキャリア自律が求められるこれからの時代、非専門職にも、雇用される以外の選択肢があれば、それは社会の活力になると思う。フリーランスチームで仕事を請けるというスタイルが、その選択肢を広げる場になるのではないか、という思いで続けている。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。