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「会社で、働く」ではなく「会社と、働く」とは? | ひとり広報の育休取得を振り返って
※この記事は、MDMゆく年くる年2024 (アドベントカレンダー)4日目の記事です。昨日の記事はこちらから。
こんにちは、「眠れる銭をActivateしたい」三井物産デジタル・アセットマネジメント(MDM)の木村(akkyy_k)です。デジタル証券を活用した資産運用サービス「ALTERNA(オルタナ)」の広報PRを担当しています。
ゆく年くる年ということで、今日は自分にとっての今年の一大テーマであった育休取得(2024年5月〜8月の3ヶ月間)について振り返ります。
せっかくの機会に恵まれたので家事・育児にしっかり向き合いたい意向はありますし、キャリアを通しても自分を拓いていきたい。両方やりきれる方を目指したいと思っています。
と書くと、育児に携わる予定がない方にとっては関係のなさそうと思われてしまうかもしれませんが、この記事を通して言いたいもう一つのメッセージを書いておきます。
それはMDMは責任を果たせば「会社と、働く」を応援してくれるカルチャーの会社だ、ということです。
「会社で、働く」ではなく「会社と、働く」
これはMDM全社で半期ごとに行っている、振り返り&決起会で社長の上野さんが紹介された言葉です。
「会社と、働く」というのは、MDMの親会社である三井物産がかつて採用広告で表現したもの(「三井物産”と”働く」)からきていて、会社が目指すものと、個人個人が思い描く「自分らしい生き方・働き方」が重なることを、表現したものです。
「会社で、働く」との対比になっており、一文字の違いではありますが、会社で受動的に働くのではなく、仕事もプライベートも主体性やオーナーシップをもって臨むことが想起される、いい表現に思っています。
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MDMはまだ70人ほどの会社ながら、大手商社、スタートアップ、金融機関からなる異色のジョインとベンチャー(JV)ということもあり、出自も含め多様なメンバーから構成されています。
もちろん事業はゼロから作るスタートアップなのでハードシングスも多々発生していて、それらに全力で向き合いつつも、同時にプライベートも仕事と同じくらい大切にされている方が多くいます。
子育て中のメンバーも多くそれぞれリモートも活用しながら奮闘されていますし、社内の部活動も盛んでテニス部や登山部、坐禅部など、趣味を同じくするメンバーが集まって定期的に活動しています。(本アドカレ企画の中でも活動紹介があるかもしれません)
他にも、趣味の域をこえて副業で小説を書いていたり、テノール歌手をやっていたりと、事業にフルコミットしながら同時にびっくりするような特技をもって活躍しているメンバーもいます。そのポテンシャルに驚くばかりです。
そういうわけで、「MDMと、働く」に少しでも関心をもっていただけた方がいれば、ぜひこちらまでご応募お願いします!
はじめに(本題)
さて、前置きが長くなりましたが、本題の育休取得に戻ります。
今回の育休は私自身としては2回目になります。初回はMDMに出向する前に、出向元のLayerXで1ヶ月取得したのですが、生活リズムが整いきる前での復職だったこともあり、復職後は仕事も家庭もギリギリ回っていたという感覚でした。
2人のほうがそもそも大変という話をよく聞いていたこと、長男がイヤイヤ期に差し掛かって不安定になっていたことなどもあり、初回よりは長く取りたい、ミニマムで2ヶ月、できれば3ヶ月と考えていました。
育休期間以外に前回と異なるポイントは自分の置かれていた環境、立場です。前回は育休取得にあたっての体制整備に主体的に関わっていませんでした。端的にいうと後任の採用は上司にお任せしていて、引継ぎなどはやったものの、育休準備に際して通常業務以上に負荷がかかったわけではなかったです。
一方今回はMDMのいわゆる「ひとり広報」であり、管掌役員(本アドカレ企画の初日に登場した丸野さん)はいるものの、取締役で管掌する領域が広すぎるため、自分の責任として整備する必要があると考えました。
そういう背景もあり、既存の実務をこなしながら、同時並行でいかに会社・事業・チームに迷惑をかけずに育休を乗り越える体制を整備するかが個人的なアジェンダになっていた形です。
育休取得準備
いつから始めたか
育休取得の可能性を最初に会社関係者に伝えたのは約8ヶ月前の丸野さんとの1on1です。
妻の妊娠安定期に入る前でしたが、不在期間の体制整備のためチームアップの議論があると想定していました。採用のリードタイムを考えると、少しでも早い方がいいとは思っていました。そこで、初期流産の可能性がある程度低くなった頃合いで妻とも話し合って、伝えました。
そして当日の1on1の場で話し合った結果、既存メンバーからの異動ではなくチームアップすること(脱ひとり広報)を決めました。
また、この場で3ヶ月の取得希望も概ね了承いただき、とてもとてもありがたかったです。
採用活動
本採用活動については自身の育休というお尻が決まった中で進める必要があったことや、会社の知名度なども鑑み自然応募・エージェント活用に加え、DMを使ったスカウトも活用しながら進めました。
ところが(細かい経緯は本旨ではないので割愛しますが)結果としては、定めた期間までに採用活動を成功させることはできませんでした。
PlanBの準備、1on1での定期的なOKRアラインメント
当たり前ですが採用活動は、相手ありきの話でこちらの都合、タイミングで決まるものではありません。一方で採用が計画通りに進まなかったから、育休は辞めますというわけにもいかないので、PlanBも準備することにしました。
具体的には
・フリーランスの活用
・担当業務を棚卸し3ヶ月間程度ならやらなくてもすむ業務/他チームに移管できる業務がないかの洗い出し
になります。
育休取得希望を伝えた以降も、基本的には月1回の1on1を行っていましたので、採用活動の進捗とPlanBも含めた方針のすり合わせ、そしてOKRの認識合わせ(体制整備の優先順位を上に)を行っていきます。
KR1:FY2024上期も既存業務が回る体制の構築
フリーランスの活用にしても、フィットする方が簡単に見つかるわけではないと思いますが、私が幸運だったのは元々関係値のあった方に背景も含めて相談できたことです。結果的に、その時の最適解としてLayerXのPRチームで業務委託をしていた黒木さんにMDMのPRのお手伝いを打診することにしました。
(参考)1on1のフォーマットは元LayerX社の横山さんの形式を参考にしています(この通りにやり切る難易度は高いです)
引継書整備、デイリー1on1を通じたオンボーディング
上記で書いた通り社員採用はうまくいかなかったので、育休期間の体制としては管掌役員の丸野さん+フリーランス(一部の業務は他チームへ)で臨むことになりました。
退職時の引継ぎと似ているかもしれませんが、育休による引継ぎは「困った時は社内にいるから聞いてね」とやりずらいことです。
これだけ見たらわかるというマニュアル類(通称虎の巻)の作成・修正に加え、とにかくキャッチアップを短期で進めていただく必要があったので、毎日夕方に1on1の時間をもうけ、広報PRの業務内容に加え、Slack上でやり取りされている他部署/他チーム間のコミュニケーションでわからなかったことがあれば解消する時間を設けるようにしていました。
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メンターの活用、自分をクビにするマインドセットと心の平穏
育休取得は権利とはいえ、私個人の希望でもあるのでその間にチームにかける負荷は極力なくしたいと考えていました。ですので体制整備も引継ぎもやり切らねばと思っていましたが、これは同時に自分がいなくても良い状況を作ることでもあります。
実は初回の育休時にも感じた葛藤ではあったのですが、復職後どうやってバリューを出すのかと。ひとり広報に限らず、ひとり〇〇の方は同じ悩みを感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
(参考)初回の育休時に感じた葛藤はこちらで記事になっています。
そういう時に相談に乗ってもらっていたのが、社外のメンター(具体的には、MDMの株主で出向元であるLayerX社の石黒さん)でした。石黒さん自身も育休経験もある3児のパパですが
「スタートアップで1年以上同じ仕事をすべきでない」
「自分をクビしてくれるくらいの人を採用して新しいキャリアを拓くべき」
という言葉をもらいました。
これだけ読むと圧は強めなのですが、まぁそうだよねと育休を使って新しいチャレンジをしよう、自分に期待しようと心を決めた瞬間でもありました。
自分のキャリアであり自分でなんとかするしかないわけですが、率直な悩みを吐露できるだけで楽になれることはあるので、家族でも、友人でも、同僚でもそういう存在がいると心強いと思います。
育休中
基本仕事はしない、自己啓発やスキルアップもしない
GoogleのAIサービスであるNotebookLMに、本記事を書くにあたり、テーマの相談をしたところ以下のような回答をもらったのですが残念ながら、自己啓発もスキルアップも取り組んでいません。
育休期間中もスキルアップや自己啓発に取り組んだのか、具体的な事例を交えて紹介することで、育休取得を検討する男性の不安解消に役立つでしょう。
最後の育休になるかもしれないからこそ、しっかりと家族に向き合おう、育児・家事に集中しよう思っていたので、Slackは見られる環境にはありましたがあえて積極的には確認せず、1日1回夜に緊急のことがないかだけ見る程度でした。
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子どもの(睡眠)リズムを作ることに集中
復職後を見据えて意志を持ってやったこととしては、子どもの睡眠リズムを作ることです。子どもにも個性があるので、狙ってできることには限界はあるでしょうが、夜中に何度も起きる状態はなるだけ避けたいと思っていたので、社内では時折話題になるこちらのメソッドを試していました。(この通りにやるのはハードルが高いのでできる範囲で参考にされるのがいいと思います。)
結果的に2ヶ月を過ぎる頃には一人寝と夜通し寝ることが定着したので、本当に親孝行な子だなと思っています。
育休後のキャッチアップ
最後に育休後の取り組みについて簡単に紹介します。
気持ちは新入社員、ボールを拾う
休んだ期間は3ヶ月とはいえ、まだまだ成長期にある会社のため新しく入った社員も複数いますし、中にはやめられてしまった方もいらっしゃいます。
また自分が不在でも業務は回っていたわけですので、取り返すというよりも改めて一から落ちているボールを拾おうと思ってやっています。
具体的にいうと、「議事録を取る」「回ってなさそうなサポートをかってでる」「スケジュールの調整をする」「新しく入った社員のオンボーディングをする」といったことです。
量より質、短期より長期、1on1で注力ポイントを見極める
新しいプロジェクトも複数立ち上がっていたので、復帰初日に丸野さんに1on1を組んでいただいた際に、各プロジェクトのキーパーソンを教えていただき、改めてキャッチアップのための1on1を設定させてもらいました。そこでPR領域でレバレッジをかけられそうな事柄と、そのタイミングについてインプットを行っていきました。
復職後も育児は続きますし、時間的な制約は以前よりも強くなっているので、PRの企画については量より質、短期より長期でインパクトを出すことを意識しています(が、これが難しい)。
新しいトライ
復職後はひとり広報状況から脱してチームになっているので以前と同じではいけないと考えています。
この下期のOKR設定時には、従前はできていなかった切り口のトライを設けるようにしました。この辺りの成果はまだまだこれからなので、別の機会に振り返れればと思います。
さいごに
ここまで、育休とその前後に焦点を当てて振り返ってきました。
今でも、時間の制約がある中でキャリアと育児の両立の悩みは尽きることがないですが、チームに助けられながらなんとかやっています。
時間に少し余裕ができたら私自身も周囲を支える側になりたいと思っていますし、キャリアもプライベートもを応援しあえる今のカルチャーをより育んで行けたらと思っています。
「会社と、働く」に興味を持っていただけた方、ご応募お待ちしています。
最後までお読みいただきありがとうございました。