軽妙洒脱…『コーヒーと恋愛』を読んで
コーヒーと恋愛
獅子文六
あらすじ
まだテレビが新しかった頃、お茶の間の人気女優、坂井モエ子43歳はコーヒーを淹れさせればピカイチ。
そのコーヒーが縁で演劇に情熱を注ぐベンちゃんと仲睦まじい生活が続くはずが、突然"生活革命"を宣言し若い女優の元へ去ってしまう。
悲嘆に暮れるモエ子はコーヒー愛好家の友人に相談…ドタバタ劇が始まる。
人間味溢れる人々が織りなす軽妙な恋愛ユーモア小説。
感想
昭和に書かれた小説なので、今読むとジェンダー問題的にどうなの?という点は見受けられるものの、それがリアル。
劇作家だったという作者の表現は軽妙洒脱で肩の力を抜いて、まさにドラマを観るような感覚で楽しめる小説だった。終わり方も痛快。
タイトルに倣ってコーヒーを丁寧に淹れて飲みながら読む時間も楽しかった。