問題児は救世主
ホロスコープ5弾の絵が完成した。
おいしい蒸しエビさん
だ。
最年少。
セッション中、自分の子のように感じた。
なんかかわいくてね。
若いっていいな、娘ちゃんがいたらこんな感じなのかな、とも思った。
「ごめんなさい、時間がかかってごめんなさい」
何度もいうムシエビさん。
別にいいんだよ。焦らないのが大事。
「この子、めっちゃ頑張ってるよ」
と思っていたのだから。
申し込みがあってから数ヶ月。以下絵が完成した。
きれいでしょ。かわいいでしょ。
作品タイトルは「問題児は救世主」。
なんだそりゃ!?
さてさて。
絵の裏側はどんなだろう、か。
「ワタシのホロスコープ…やばいかもしれない」
こう感じる人が一定数いる。
大抵は、火星や冥王、土星絡みだ。
妙に力が強すぎたり、赤い線がビコビコでていたりする。
なんだかただならないものが眼の前にあらわれたとき、人の心はどーんと落ち込むよね。
そういったものを持っていた人=蒸しえびさん
である。
彼女も自分のホロスコープをみて「やばい」と思った一人だろう。
蒸しえびさんの場合、蠍座の火星が12室。かつ、他天体から集中砲火。さらにアセンダントに合しているという具合であった。
クリティカルヒット。
ネイタルなので逃げられない。
よって、ここ数ヶ月、二人であーだこーだと火星ちゃんをどげんせんといかんと策を練った。
「どうしよう、この子」
「困ったね」
「楽しんでくれないかしら」
口をへの字にしていた火星ちゃん。
セッション中もベソをかいていた。
蒸しエビさんは,ギリギリまで言わなかった。
ワタシに言った時は、もう、ボロンボロンだったのだろう。
葛藤がすごいんだよね。わかってるから。自分だから。
全部背負いこんじゃう。
まわりの天体が困っているのもわかったから余計辛かった。
しかし、途中から考えが変わってきたんだよね。
「蒸しエビさんに起こっている数々のとほほな話は火星ちゃんが全部引き受けていてくれたんだよね」
「この子を開放してあげようよ」
「みんなで汚いものを押し付けるんじゃなくて、みんなで眉を顰めるのではなくて、みんなで助けてあげようよ」
そういうふうな思考になっていった。
蒸しえびさんは若い。
そして聡明なこだ。
だから、ホロスコープのアスペクトは「読んでもらった」。
結構な数のアスペクトがあった。中にはきついワードが並ぶものもあったが、彼女はがんばりやだからやり遂げた。
目の前に書いてあることにショックを受ける蒸しえびさん。良いことも悪いことも理解して咀嚼していってくれた。
そして、最終案で出たのが
火星ちゃんを最高のアテンダントにしよう
になった。
彼女の火星は蠍座1度に属する。
通称「観光バス」。
1度度数というのは、前の星座の性質も兼ねる。つまり、キラキラ天秤座の香りも持っているのが蠍座1度だったりする。
バスのアテンダントというのは楽しいだけじゃない。
色々なことに気を配り、アクシデントに速やかに対応し、お客様を楽しい気持ちにさせるのが仕事だ。
蠍座というのは、清濁併せ持つと言われている。天秤のようにきれいなものを中心に平和にみようというわけではなく、汚いものにだって立ち向かう強さがある。
「そういう子になれたら素敵ね」
「嘘は嫌い。そこは譲らなくて良い。本心で付き合える人を、自分の周りにいる人を幸せにさせるお手伝いは1度ちゃんができるのではないかしら」
今までは、自分の枠以外だと「はいだめ」と切り捨てたり、ぷいっとしていたこともあっただろう蒸しエビさん。
なによりも縛られたくない。自由が好き。既存のルール?なにそれおいしいの、だったかもしれないが、おとなになる決心をしたのだ、蒸しエビさんは。
蒸しエビさんの人生は「自由」がキーワード。
自由を獲得するため、今後、ぶつかることも多々ある。あの星ならびだからだ。
けれど、彼女は自分のホロスコープと向き合い、色々わかったのだ。
「ワタシはMCを目指すんです」
若いうちにこれが言えるって…すごいラッキー。
企画に申し込んでくれてありがとう。
自分を大切に。そして、仲間も大切に。