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【映画感想】トップガン・マーヴェリック



 公開初日に『トップガン・マーヴェリック』を観てきました。
『トップガン・マーヴェリック』は映画『トップガン』の36年ぶりの続編となります。
 主役は前作に引き続き世界のスーパースター・トムクルーズです。

■ネタバレなし感想


 この映画は一言「最高オブ最高」の映画です。

 神映画です。

 映画史に残る傑作の上に、映画好きなら観て損はない作品なので、ぜひご覧いただきたいと思います。
 ちなみに、私は前作の『トップガン』を観ずに初視聴でしたが、全く問題なく観ることができました。

 今すぐ映画館に行って視聴してください。

『アベンジャーズ エンドゲーム』を超える映画には、もう出会えないと思いましたが、『アベンジャーズ エンドゲーム』がそれまでの22作品の総括であるのに対して、この映画は続編でありながらもこの映画だけでも成立する話です。

 本当に素晴らしい映画なので、ぜひ多くの人に観ていただきたいです。

 トムクルーズや配給会社が映画館の公開にこだわったのもはっきりとわかるくらい、音響、映像、音楽、全てが映画館で観ることを前提に最適化されているので、ぜひ映画館で観てほしいです。

 以下ネタバレ注意


■ネタバレ有感想

●初見なのに冒頭から号泣

 冒頭から幸せすぎて号泣ですよ。

『トップガン』を一度も観たことがないのにもかかわらずですよ。

 冒頭で名曲『デンジャーゾーン』を流しながら、空母から戦闘機がカタパルト発射していくだけの場面なのですが、これが今まで観たことがないくらい格好いいのです。

 おそらくCGなど一切使わず、本物の空母から発艦する戦闘機をドキュメンタリー的に見せているのですが、音楽と映像、そしてエンジン音の爆音が気持ちよくて、

 めちゃくちゃ格好いい!!

 と気づいたら号泣しっぱなしです。

 エンジン音の爆音でかかる音圧が、まさに戦闘機パイロットにかかるGとシンクロして、自分がパイロットになったかのような体験ができるんです。

 まるで遊園地のアトラクションにでも乗っているかのように気持ちいいんです。

 これは高額な音響設備とホームシアターでも用意しなければ、自宅で体験することはまずできないと思います。

 それだけで5億点です!!

 その後のストーリーも最高です。

●王道ストーリー

 ストーリー自体は極限までシンプルです。

 ならず者国家の原子力開発施設を不可能とも思えるミッションで、戦闘機で爆破するというものです。

 そのミッションを可能にするために、トップガンの精鋭である若者たちを、マーヴェリック(トムクルーズ)が訓練する話です。

 基本は熱血教師ものというか、トムクルーズがお得意の「天才だけども、アウトローの主人公が新たな仲間たちとの出会いと共に再生していく話」です。

 昔の恋人や戦友との再会と別れ、そして失った戦友の遺児との関係を通して過去と向き合っていく、というお話です。

 王道中の王道です。

 王道を外したがる若者や志望者は多いのですが、王道もここまで突き詰めれば、やっぱり最高だと思います。

●実は単なる王道ではない

 やはり脚本と演出と編集がとてもうまいんですよね。

 マーヴェリックが作戦で編隊長を任されて、昔の恋人に軍服で会いに行くシーンは死亡フラグが立ちまくりなのです。

 実際に、かつての戦友の遺児をかばって、マーヴェリックの戦闘機が撃墜された時は、「ああ、こんな悲しい終わり方をするのね……」と思ったわけです。

 ところがどっこい!

 マーヴェリックは生きていて、しかも彼のピンチを戦友の遺児であるグースが助けに来るという胸熱のシーン。

 さらにさらに敵の本拠地にある旧型のF14を盗んで、脱出!!

 F14は前作の『トップガン』でマーヴェリックが乗っていた戦闘機です。

 主人公がかつて搭乗していた愛機(旧型)に乗って戦うとか、普通に熱すぎて泣くでしょう。

 ギリギリまで「老兵であるマーヴェリックが若者に未来を託して死ぬのではないか」と観客をハラハラさせるわけです。

 これも観客がどういう風に観るかをものすごく意識して、計算して、ストーリーが練られているんです。

 でも、やはり最後は大団円のハッピーエンド!!

 戦闘ものなのに一人も死なないなんておかしい、という人もいるかもしれません。けれども、この物語はマーヴェリックにとっては前作で親友を失った贖罪の物語でもあるので、誰ひとりとして死んではならないのです。

 だから、これでいいんです。

●全員に見せ場がある

 嫌な奴やライバルポジションとして登場したハングマンですが、作戦任務から外されて待機組になってしまいます。

 そんな彼も主人公のマーヴェリックとグースを救うという最後の最後でおいしい役を与えられています。

 わかっていても泣く。

 見事な見せ場でした。

●映画はフィクションでいい

 ストーリーラインはかなりご都合的ではあります。
 昔の恋人が未亡人としてまだ自分に好意を持っていたり、F14がなぜか敵基地にあるとか、撃墜されたのにマーヴェリックが生きていて、かつての親友の遺児が助けに来てくれるとか。

 ただ、それをご都合的に見せないように徹底的にリアリティを追求しているわけです。

 実際の戦闘機を使って撮影して、役者もその戦闘機に実際に乗って撮影しました。
 
 前作の『トップガン』でも同じように撮影したものの、トムクルーズ以外は吐いたり失神したりして使い物にならずに、トムクルーズ以外の戦闘機の場面は別撮りにしたそうです。

 しかし、今回はトムクルーズ以外のキャストも過酷な訓練をしてGに耐えきれるような体作りをし、実際の戦闘機に搭乗して、撮影したそうです。

 だから、彼らの表情や演技がとても迫真に迫っているわけです。

 戦闘機の躍動感や格好良さは、CGではまだまだ表現しきれないリアルさを出しています。

 大団円でご都合的な物語ではあるけれども、映像や演出、役者の演技などに徹底的なリアリティを求めた結果、没入感がすごいんです。

 ものすごい勉強になりました。

■映画史に残る傑作であることには間違いない

 ドクター・ストレンジもシンウルトラマンももちろん面白かったですし、これからも傑作映画は出てくるでしょう。
 私も好きな映画はたくさんあります。

 ただ、本作ほど映画体験として素晴らしい作品は、なかなかお目にかかれないのではないでしょうか。

 王道というのは、やはり強いなと思いました。

 何度も言いますが、『トップガン・マーヴェリック』は映画館で体験してほしいです。

 最後までご覧いただきましてありがとうございました。


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秋月大河@作家シナリオライター
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