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中国での(乾杯がなければ)楽しい会食
中国出張に出るようになったのは2010年からで中国語の分かる人と移動して打ち合わせるのですが、会食はなかなか刺激的でした。
総じて会食は手抜きなしで様々な料理を例の円卓でいただきます。
当時はまだ一般に晩酌の習慣はないのですが、会食であればお酒が飲めるので日本側が数人でも中国側20人ほども出席することもありました。
先輩らの経験を総合するとそんな楽しみを奪うことになるので滅多なことでは会食を断ってはいけません。
それに似合う大きな円卓も用意され、事情がない限りテーブルを複数にすることはないです。
必ず円卓は時計回りで回し、自動で回るものも多くなりました。
カトラリーは皿と椀、箸、スプーン、コップが各人に配されます。
饗されるのは日本の町中華では目にすることがない地の食材を生かした中国の料理が皿や鍋で並び、これを順に取り分けて食します。
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作法というのはあまりないようなのでひたすら食事と会話を楽しみます。(通訳してもらいますが)
前菜、スープ、主菜、フルーツと出てきますがとても全部は食べきれないのに、ラストは御飯か麺を選ぶことになります。
御飯か麺か決定権は概ね客にあるので日本から行ったメンバーが決めることになります。
十分に食べたと意思表示することでホストも満足することになります。
残った料理はどうなるのかというと、メンバーに主婦がいるとドギーバッグで持ち帰ることも多いです。
料理には骨付きや殻付きのものもあり、日本人は皿の上にガラを除けていきますが、中国ではテーブルクロスの上に置くことも多くあります。
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近年は日本に旅行した人も増え、中国の所得水準も上がり多様化が進み庶民的な略式の店を使うことも増えました。
各省の名物を集めたような店もあり、日本人にも見覚えがある料理が並ぶこともあります。
会食には酒がつきもので昼食でも普通に酒が出てきます。
中国人は基本的に酒に強いので運転手以外は飲もうとします。
会食後に支障が出ないのなら飲んでも問題ないのですが「少しだけいただきます」はNGです。
酒を飲むか飲まないかきっぱり決めますが、妥協しても「ビールだけ」などと予防線を引きます。
酒はなくてもお茶なり果汁なりは出るのでご心配なく。
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問題は「乾杯」です。
ひとしきり座が盛り上がる度に「乾杯」になります。
この場合は座を仕切る人が杯でテーブルを軽く数度叩いて乾杯を促すと、座の全員が倣って杯でテーブルを叩き杯を空けます。
基本的に乾杯(干杯)なので飲み干します。
中国でもビールの売り上げは40年も右肩上がりで「まずはビール」状態ではありますが、間もなく白酒が出てきます。
いわば高粱や玉米の焼酎なのですが度数は50度もあります。
昔はよく茅台酒が出てきましたが中国の経済状態が良くなったのに伴い高騰し葵花印だと30万円などとなっています。(知人は昔買ったサンフラワー印の値段を知らずにうっかり飲んでました。)
おかげで様々な白酒を飲めます。
上海から浙江省のあたりだと14-18度程度の紹興酒も飲まれますが興が乗ると白酒で乾杯が始まります。
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困るのは出席の各人があいさつ代わりに乾杯を求めてくるケースです。
大きな座で1対20で乾杯を繰り返すと日本人の酒量ではかないません。
回避策はないのですが先ほどの要領で杯でテーブルを軽く数度叩いて全員での乾杯を促すと皆さん応じてくれます。
員数が多ければボトルはすぐ空になりますが、次のボトルが出てくるだけかもしれません。