「はじまる」(詩)
はじまるよ、と声がする
遠くて 明るい
青を透かして
どこか 端は消えてしまう
はじまるよ、と声がする
どこまでも届く
目を開いていなくとも
夢の波打ち際にも はねかえる
はじまるよ、と声がする
淡いがたつ
時間を割いて
全てがゆだねる
とじたままでは いられない
泡はいつか どんな深くからでも
動くことを忘れた扉を押し上げて
のぼる
その短い時間を泳ぎ切る
はじまるよ、と声がする
浮かんだ一音
灯った火が連なって
この今を 軽々 浮き上がらせる
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