濃い闇は剥がれ往かない白だった(川柳)
君の手は剥がれゆかない白だった
欠けた月の生んだ真珠を呑み込んだ
物差しで線が引けない五時間目
かろやかに描いていたのは嗤う裸婦
ただきつく縫い付けられた釦です
縫い付けの甘やかされたフリルです
いつの間に風を孕んだ此の襟は
わたくしの継ぎ目となれる布だろか
沼の底沈む私の行方かな
名は放たれた 沼底の死体より
朝の舌舐め上げられてうなる君
飾ってよ君の耳ごと百日紅
汚れてる此の手を拭いてくれるひと
粘りつく血をこの腹に抱え込み
この胸に粘つく闇は垂れこめる
微笑みが粘りついては痒くなる