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幽霊の鉛

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2023年5月の記事一覧

おかいこ さま みたいに
もぐもぐと みらいはばたくためにくって
食っていたのに
ひどいや みんな
俺を 見るな
冷たい布団はあっという間に火事場に溺れ
あぁ 俺って飛べずに死ぬんだと
さいごに 世話してくれた誰かの顔も浮かべない

乳白色の泥を塗って、スポットライトと日陰者、虫を磨り潰した顔料を目に踊らせる。その面どの面だんだん擦れて落ちてゆく。刹那、美しく見せるための前借り。切ないままの素顔。
アンタは別に隠さなくたって、なんて、俺も随分手馴れてしまって。薄づきの頃がどれだけ良かったか。美意識に呑まれる。