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幽霊の鉛

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2023年4月の記事一覧

俺がげぇむの女だったら乳でも揉ませられたのにな
俺がまんがの男だったらモブの面も良いだろうにな
俺がおとのなかだったらきっときたなかっただろうけど 君の耳には届くよな
俺はげんじつの誰かだからなンにもなれなくて ごめんな

性善よ お前の首に噛み付いて
哀れ突き放された羽の平
あんただよ 俺を忘れたのは
削がれた手は掴めない

歳と金を重ねることが立派だと威張る皺面は決まって自分がだとか君がだとかをほうばって不気味なほどぶくぶく肥えていく
その図体を裂いて 吊るした干し肉をまた差し出せば 喜んでお召になる
同胞であろうとその肉を疑うこと無く貪る
それが如何に自分に向けられた鏡であるかを忘れてはならない

直球のロマンスは一夜限りにすり変わり
絵本のまま育った教科書の頭たちは
求め合っているフリして
求められるのは求めている時だけの携帯
自分も重ねた罪は無いことにして
相手の非にだけ爪を立て
それを知ったまま生きている
穴が空いたバケツで水をすくう愚かさ
それを知ったまま生きている

おー三途の川や 漕いでやろうか
地獄行きには三文持って
あぁでも冷水を泳いでいくのか
昨日履いたズボンには金を入れてたのにな
貸した小銭返してくれてりゃな
結局泳がないけないンだ
流されて死んでも死にきれンって苦しむのが骨
貯めてた貯金は2桁だったから
いつまでたっても変わらない