見出し画像

Vket2024Winterブース制作で考えたこと、やったこと

こんにちはVRパンダの秋月です
予定としては今年最後のnoteです
もう…もう2024年も終わりですか…

今回はVket2024Winterのワールド、アナタとスノーマンズ・トイ・ファクトリー[夢造りのスノーマン]にブース出展したときのブース制作のことを書いていこうと思います

ちなみに私はMesh Bakerを持っていません
同じくMesh Baker持っていないけどオリジナルのブース作ってみたい…という方や、じゃあどうやってブース作ったの?と興味を持たれた方向けの記事になっています

先にブースの容量等を描いてしまうと
容量:7.46789MB
Set Pass Calls:13/20
Batches:20/30

ブースのオブジェクト数は全部でstatic(動かないオブジェクト)が2個、
Dinamic(動くオブジェクト)が10個
10個の内訳はPickupできるのが5個、FittingChairが3個、アバターぺデスタル3Dが1個とサークルページ2Dが1個です

マテリアルは全部で8個です
ご参考までに!


当選!さてデザインをどうするか…

まず最初に考えたことはオリジナル3Dアバターの「もちパン」を主役にしたい!ということでした
ブースを出展するのは今回で2回目
前回はオリジナル3Dアバターの「リンファ」を主役にした退廃的で中華風ブースを作りましたが全体的に簡素なブースでした

今回はプロップをたくさんおきたい、形にこだわりたい!という思いが強くありました
そこから2階建てで階段を作ろうという発想に繋がりました


ざっくりと決まった!ラフデザインの作成へ

案だしのときには気軽に描けるチラシの後ろや、コピー用紙になるべく小さくラフを描いています
小さく描くと全体の形が捉えやすく、要素が盛り込むときも簡単にできるためこの形をとっています
潰れて描き込めない時は絵のとなりに箇条書きにして入れたい要素を書いていきます

そうしたら今度はすこし大きい全体図を描いて、新しく描き込んだ要素と書き込めなかった要素を盛り込んだラフを描きます
この工程を2〜3回くらい繰り返してラフ画が完成させます
もちろん作っている間にこれ違うな…とかもっとこうしたい!というのが出てくるのでモデリングしつつ混ぜ込んで形にしていきます


出来上がったのが見出し画像のブースです!

内装はこんな感じ
1階内装その2
2階部分(飲食スペースをと思って作りました)


形をこだわりたい、とにかく小物を作りたい…
これまで作ったケーキアセットもあるし飲食物系、そういえばカフェ作ってみたかったな…よし作りかけになっているコーヒーセットを完成させてカフェにしよう!
もちパンもカフェっぽい衣装を追加したら全体としていい感じにまとまるのでは…!?
ということでこういう形に
連想ゲームのようでラフを描いていて楽しかったです

一部出展しているコーヒーセットはあれも欲しいこれも欲しい、後これあったらいいんじゃねということで増えてキリよく100個になりました
お値段なんと800円!みんな買ってね!(突然のダイマ)

出来上がりとしては満足してますが2階の飲食スペースがちょっとシンプルだったかなーと思ったり
また参加できたら今回の反省点を活かしていきたいです


Mesh Baker?そんなのはうちにないよ

冒頭で書いた通りMesh Bakerは持ってない状態なので最終的にはBlenderでオブジェクトを統合してFBXをエクスポートし、Unityにインポートします
ですが最初からオブジェクトを統合してしまうとUnity上でオブジェクトの位置の調整ができなくなります
そのため最初はオブジェクトを統合せず何十個ものオブジェクトをBlender上で全選択して一個のFBXとしてエクスポートします

Unityで見た目の確認しつつ、位置調整してBlenderでも調整したらエクスポートしてまたUnityへインポート…を繰り返してイメージに擦り合わせていきます
その度にコライダの設置をして…というのはとても面倒
そんな時役立ったのが「unity-overwriter」!

これがあるとUnityに同名のデータがあった時に自動で置き換えてくれるとっても便利なツールです
一度モデルにコライダの配置をしておいて、同名のモデルとして置き換えればなんとコライダの再配置が不要!(コライダを配置したオブジェクトをBlender上でスケールを変更したりしてエクスポートし、Unityで置き換えるとコライダ自体は元のままのサイズのためズレます!ご注意を!)

これでいいかな~という形になったらBlenderでオブジェクトを統合してUnityへインポートするのですが、このインポートし直して…が簡単にできるのでめちゃくちゃ助かります!

GitHubで配布されているので詳しくは検索してみてください〜!


テクスチャ制作について

今回テクスチャ制作でとった方法がトリムシートという方法を真似ました
というのも隙間なくガチガチ!な使用法ではなくゆるーく真似た感じです

手順としては
1.材質を考える、共有できそうなところを考える
2.使用する範囲を重要度によって平面オブジェクトでUVの範囲を決める
3.決めた範囲にUVを割り振って詰め込む
4.Substance Painterでテクスチャを作成、Clip Studioで加筆
5.Blenderでテクスチャを貼り、木目の流れなどを修正
6.Unityでルックテスト
という感じ。

ひとつずつ解説していくと、まずモデルを見てテクスチャを共有できそうな箇所を探します
こことここ共有できそう!というところを考えていく工程です
複数の部分を共有すると全体として統一感も出ます

先ほど貼った画像を例に

次に大きさ、重要度によってテクスチャで占有する範囲を決めます
平面オブジェクトをプロジェクトに追加し、だいたいこれくらいかな〜という範囲で平面オブジェクトのUVを配置

平面オブジェクトを質感ごとに分けて敷き詰めます

テクスチャアトラス化してマテリアルの削減するため、これを繰り返してUVを埋めていきます
今回は入り口のボード、メニュー表、宣伝の部分も一枚のテクスチャにまとめたかったので前もってその三つの範囲を決めておいて、残った箇所にブースモデルのテクスチャごとに平面のUVを配置していきました

Substance Painterでブースのテクスチャを作成します
テクスチャを作成するときには質感ごとに分けた平面オブジェクトとUVの重ねていない独立したオブジェクトをFBXにエクスポートしてSubstance Painterにインポートします
今回作成したテクスチャのエクスポートはテンプレートのUnity Universal Render Pipeline(Metallic Standard)に設定して、出力したのはAlbedoTransparency、MetallicSmoothness、Normalの3枚でサイズは2048×2048pxです

文字入れやボードの書き込みは書き出したテクスチャにClip studioで加筆しました
ちなみにチョーク風のイラストはプリセットの筆で描いています

作成したテクスチャへ素材ごとにUVを詰め込んでいきます

Blenderでテクスチャを貼り、解像度や木目の流れがおかしくないかを確認します
今回取った方法のよいところは3Dビューポートで確認しながら詰め込んだUVをひとつひとつ回転させて木目の流れを容易に修正できることです!
UV配置の時点でいっつも木目の流れを間違えてしまうので非常に楽で性に合っています
Blenderで修正が完了したらUnityでルックテストを行います
Unityでの確認作業が終わればテクスチャは完成!

ライトベイクは一度したのですが、なぜかケーキの色が暗くなってしまったので今回はベイクを取り消ししました(しなくても内装の明るさがちょうどいい感じになったので…

入稿してどんなライティングになるか確認するのはけっこう大事なので、場所の把握のためにもブースは一度仮入稿することをお勧めします


おしまいに

Blenderで極力オブジェクトの統合を行い、テクスチャはアトラス化してマテリアルの削減を行い軽量化をする、という内容でした

もちろん自分でブースを作らずともVketBoothMakerというサービスやアイテム出展などいろんな形があります

ですがデザインを一から考えてブースを作るのは自分の表現したい世界観を全面に押し出せますし、なにより技術的にも勉強になる点がたくさんあります
この記事を読んで自分もやってみようと思っていただけたら嬉しいです

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
皆様、よい年末をお過ごしください〜!

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