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haluchobin
『超新撰21』
昨年(2010年)の12月末に50歳未満の俳人アンソロジー『超新撰21』(邑書林)が発行された。
ご存知の方も多いと思うが川柳から清水かおりさんが参加されている。柳人の参加は他流試合の趣きがあり刺激的だ。
しかしもうひとり他ジャンルから参加という趣きの作家がいる。小川楓子さんだ。彼女は俳人として参加しているが本来歌人である。
・まんじゆしやげひらくあしのゆびひらく
・鳥たちよ木の実ここのみここにゐる
一句目の「ひらく」の反復や二句目の「こ」音の連鎖は、リズムや音韻を大切にする短歌的な素養を感じる。
・やかなけりけり秋の夜の缶蹴り
切れ字「や」「かな」「けり」を音喩的に用いる手法。歌人、永井陽子さんの有名な一首を思い出す。
・べくべからべくべかりべしべきべけれすずかけ並木来る鼓笛隊
私が俳句を始めなかった理由は先入見でそれに振り幅を感じなかったから。しかし今の俳句を見てみると実に振り幅が大きいなと感じる。逆に川柳総合誌を見たとき主流川柳の振り幅は本当に大きいのか、川柳書きとしては改めて自分のジャンルを考え直している。
※一部加筆しました
初出 2011年02月18日ゆうゆう夢工房