イワモトアキト

名古屋市生まれ、名古屋市在住の39歳 フォトグラファー/ライターとして、ラグビー日本代表、JAPAN RUGBY LEAGUE ONEオフィシャルフォトグラファー。元中日新聞写真記者

イワモトアキト

名古屋市生まれ、名古屋市在住の39歳 フォトグラファー/ライターとして、ラグビー日本代表、JAPAN RUGBY LEAGUE ONEオフィシャルフォトグラファー。元中日新聞写真記者

最近の記事

コラムの裏側            暗闇のシャンパンファイト

https://the-ans.jp/photo/367096/ ​ コラムの裏側。ついに決勝戦、最後のコラムとよりAnother Story. ​ 喜怒哀楽の全てが詰まった80分だった。私のコラムで試合を語る必要はない。目の前に起きたことをここに残したい。 ​ ノーサイドの笛とともに、デクラークを狙った。好きな選手を追いかけよう、79分ごろからずっとそう思っていた。その時が来た。 ​ ボールの行方を追いかけながらもファインダーの片隅のデクラークを見つめた。ニュージーランド

    • コラムの裏側               誰もが物語の主役。その熱量を伝えたい

      https://the-ans.jp/photo/366959/ コラムの裏側。今日も3位決定戦イングランドvsアルゼンチンより。スタンドで見つけたAnother Story. ​70,000人を超えるスタジアムの中で、どうやって被写体を見つけているのですか? W杯報告会をする中で質問を受けた。明快な答えを伝えることはできなかったが、ファインダー越しにスタンドを見つめていると「見つかるんです」と説明した。この日の試合で見つけた家族は、まさにそんな存在だった。 ​400㎜

      • コラムの裏側            惚れてまうやろ

        https://the-ans.jp/photo/366929/ ​コラムの裏側。いよいよ3位決定戦、イングランドvsアルゼンチンの一戦からAnother Story.​ ブロンズメダルを首からかけたオーウェン・ファレルは満足げだった。表彰式後のフォトセッション、カメラに向かって微笑むその姿に心の底から祝福の気持ちが湧いた。 4年前のW杯日本大会決勝戦、横浜・日産スタジアムのピッチでシルバーメダルを忌々しく見つめていた闘将の姿が、今も目に焼きついてる。ステージでメダルを

        • コラムの裏側              世界一のラグビー少年

          https://the-ans.jp/photo/365983/ ​ コラムの裏側。準決勝のファフ・デクラークからAnother Story. ​ キックオフまで1時間を過ぎた頃、小雨が降るピッチに一番で現れた。ブロンドヘヤーをなびかせながらボールを片手にランニングを始める。 爆音のミュージックとスタジアムDJの客いじりが響くスタッド・フランス。ファンたちの声に笑顔でサムアップ。その距離およそ20メートル。フォトポジションからでも聞き取ることが難しいような小さな声も、決して

          コラムの裏側             心地よい裏切りに満たされて       

          https://the-ans.jp/.../https://the-ans.jp/photo/365628/ ​ コラムの裏側。もう一つの準決勝、南アフリカvsイングランドよりAnother Story. ​ 心地よい裏切りほど、痛快なものはない。これが見たかった。Going My Way.イングランドの戦い方はまさに「俺様」だった。 ​ イングランドがW杯に嵐を呼ぶ。試合前から、その予兆があった。この準決勝に至るまで、メディアチケットではねられることなど一度もなかった。

          コラムの裏側             心地よい裏切りに満たされて       

          コラムの裏側                  心に火を

          https://the-ans.jp/photo/365643/ コラムの裏側。今日もニュージーランドvsアルゼンチンの一戦からAnother Story. 決勝トーナメントに入り1試合で2つのコラムを執筆し始めた。自分の性格だからしょうがない。勝者を書けば、敗者のことにも触れたくなる。時に夢破れた選手ほど、その表情に濃いドラマがある。​ アルゼンチン代表パブロ・マテーラ、JAPAN RUGBY LEAGUE ONE三重ホンダヒート所属のエイトマンは、試合後のピッチを目

          コラムの裏側                  心に火を

          コラムの裏側             雑念を洗い流して  

          https://the-ans.jp/photo/365152/ ​コラムの裏側、いよいよ準決勝に突入!ニュージーランドvsアルゼンチンの一戦からAnother Story. ​準々決勝でフランスが南アフリカに敗れ、パリは人の動きが変わった。チケットのリセールが増え、街中からもラグビー色が徐々に薄れていく。残り4試合を残し、W杯開催国が消えたことの影響は大きい。 ​スタンドは熱狂的なアルゼンチンファンとどっしりと構えたニュージーランドファンで埋め尽くされていた。レ・ブル

          コラムの裏側             雑念を洗い流して  

          コラムの裏側             頭はクールに心はホットに             

          https://the-ans.jp/photo/364398/ 今日もフランスvs南アフリカの一戦からAnother Story. 痛みや苦しみの感情がないのか。 ​カメラのファインダー越しに見えるフランコ・モスタートやピーター・ステフ・デュトイ、エベン・エツベスは皆、顔色ひとつ変えずにプレーしていた。熱くありながらも冷たい。スプリングボクスたちはどこまでもクールだった。 何度でもぶつかり、ぶつかり、ぶつかっていく。コンタクトの瞬間は、ぐわんと時空が歪むよう。見てい

          コラムの裏側             頭はクールに心はホットに             

          コラムの裏側             生かすも殺すも自分次第

          https://the-ans.jp/photo/364240/ ​ コラムの裏側。今日はフランスvs南アフリカの一戦からAnother Story. ​ 失敗した。このコラムを今も返してもそう思う、私は大切な写真を殺してしまった。 ​ いい試合だった。ここでフランスが散るのか…、惜しいと何度も思った。その勢いのまま原稿を書き進めて出稿、その時は気づくことができなかった。 ​ 大切な写真、それは9月21日にリヨンで撮影したフランスvsナミビアでの一戦。デュポンが負傷した直後

          コラムの裏側             生かすも殺すも自分次第

          コラムの裏側            最高のラグビーを味わった一夜

          https://the-ans.jp/photo/363783/ コラムの裏側。今日もアイルランドvsニュージーランドの一戦よりAnother Story. この仕事(写真を撮る)をしていると、やっぱり歴史が動く瞬間を撮りたいと思うもの。まさにこの試合がそうだった。 世界ランキング1位のアイルランドだが、W杯ではなぜか結果が伴わない。ベスト8の壁を越えられない。でも、でも、今度こそ!アイルランドラグビーの歴史に新たな一ページが…、と思っていた。​ ラスト5分28秒、3

          コラムの裏側            最高のラグビーを味わった一夜

          コラムの裏側              「この一枚」があればいい

          https://the-ans.jp/photo/363734/ ​コラムの裏側。今日からいよいよ決勝トーナメント!歴史に残る名勝負からAnother Story.​ W杯で撮影ができるのも、この試合を含めて最大6試合。日本vsアルゼンチン戦から引きずった感傷的な気持ちを吹っ飛ばしてくれたのは、やっぱりラグビーだった。 スタッド・フランスへと向かうメトロにはファンたちの歌声が響いていた。もみくちゃになりながらスタジアムへと向かう。皆、試合に胸を躍らせている。 残り試合

          コラムの裏側              「この一枚」があればいい

          コラムの裏側             鴨と赤ワインとラグビー

          https://the-ans.jp/photo/363587/ コラムの裏側。今日はボルドーでの出会いからAnother Story. ナントでの日本vsアルゼンチンを撮影後、決勝トーナメントまでの5日間をボルドーで過ごした。 綺麗な街でゆっくりしたい。ちょっと休みたかった。ナントから距離的に近いことも選んだ理由のひとつ。特に深い理由もないが、なぜかボルドーに行きたかった。 ボルドーに到着し、この街のラグビーのある風景を探した。この街はフランスの国内リーグTOP14

          コラムの裏側             鴨と赤ワインとラグビー

          コラムの裏側               手すり越しの握手 

          https://the-ans.jp/photo/363198/ ​コラムの裏側。W杯を盛り上げるファンたちの姿からAnother Story. ​プール予選全40試合のうち14試合を撮影した。フランス全土を回りながらの試合撮影である考えると、我ながら無茶苦茶なスケジュールを組んでいるなと思う。 ​当然、疲れが出ることもある。そんな時こそ、ファンたちの姿に元気をもらう。スマホを片手に電車を乗り継ぎスタジアムへ。試合前にも関わらず、駅に降りた時には疲労と安堵で正直くたくた

          コラムの裏側               手すり越しの握手 

          コラムの裏側               W杯という夢が終わる、その瞬間

          https://the-ans.jp/photo/362763/ ​コラムの裏側。今日は予選プール40試合を振り返って思うこと。試合結果に関係なく、すべての試合にAnother Storyがある。 ​終わる、終わってしまう。スタジアムの大型ビジョンが時を刻むと同時に、胸がいっぱいになった。 ​立場は違えど、私もこの4年間をこの大会に捧げた。その間に大きな決断があり、試練があった。そして大きな壁を乗り越えてこのピッチにたどり着いた。 ​大変だったよね。私も大変だったよ。

          コラムの裏側               W杯という夢が終わる、その瞬間

          コラムの裏側               今を残すという仕事

          https://the-ans.jp/photo/362687/ コラムの裏側。今日もナント、日本vsアルゼンチン戦よりAnother Story. ​今回の日本代表、すべての選手が等しく功労者であったことはいうまでもない。それでも最後の試合、誰に焦点を当てるか、フォトグラファーの感情がそこに宿る。 ​個人的な思いから、スクラムハーフ(SH)の選手に目がいく。私も高校、大学とSHだったからだ。 小さな体で大きな選手を倒した時の喜び、攻守の起点となって試合を作る楽しさ。

          コラムの裏側               今を残すという仕事

          コラムの裏側 Another Story       その土地がつくるスタジアムの景色

          https://the-ans.jp/photo/362427/ ​コラムの裏側。今日は日本代表vsアルゼンチン戦からAnother Story. ​この日のナントも暑かった…、初戦のチリ戦で発生した機材トラブルの悪夢が思い出されるような厳しい日差しの中、試合は始まった。その後の試合展開は言わずもがな、日本代表はアルゼンチンに敗れ、W杯での戦いを終えた。 ​ナントの思い出、それはコラムでは語れなかったスタジアムの景色。緩やかなスタンド、空からたくさんの光がピッチに降り注

          コラムの裏側 Another Story       その土地がつくるスタジアムの景色