部活の思い出と現在

お題企画というものにチャレンジしてみようと思い募集のタグを眺めていて私が文章にしやすそうだったのが「#部活の思い出」だったのでちまちま思い出を書いてみよう。

私が部活動に明け暮れていたのは10年以上も前の話で、今回の話題にしようとしているのは中学校の卓球部に所属していた時の話。もう15年以上前です。


中学校に入学すると仮入部期間が2週間あって授業終わりに毎日部活動を見学した。毎日別の部活動を見学してもいいし、1つの部活動に絞ってもよかった。

私が初めに見学したのは吹奏楽部だっただろうか。小学生時代はバレーボールのスポーツ少年団に所属していて「文化部」というものが新鮮に感じたのと華やかさにちょっとしたあこがれがあった。

何日か吹奏楽部に通って色々な楽器を試させてもらったが私は不器用で、ドラムをたたけば足と手が同じタイミングで動くしトロンボーンを吹けばパーツが外れてパニックになった記憶もある。ホルンとかオーボエとかもなかなか音を出せなかったな…

そんな感じで主に吹奏楽部、それ以外は茶道部や美術部や友達の付き合いで運動部を少し体験した後、最終的に「1度も見学してないけど、なんとなく活動が楽そう」というとんでもなく舐めてかかった理由で卓球部に本入部をしたのでした。


新入部員の中には小学校からの友達が1人。あとは先輩も含めて知らない人ばっかりだった。

いざ部活が始まってみれば「ラク」なんてことは全くなかった。そもそも体育館を毎日使えるわけではなく、1週間のうちの半分しか卓球台を出して練習ができなかった。それでは体育館以外の練習は何をするかというと、体力づくりである。晴れの日なら校庭の外周を6周くらい、距離にして3.5kmの走り込み、雨なら階段を1階から3階まで上り下りを数回繰り返す(毎回タイムを測定して過去の自分や周囲とのタイム比較)。そのあとは筋トレに素振りにとやることがいっぱいあって思い描いていた「ラク」ではなかった。でも大変さの中に充実感があり「楽」ではあったかも。

そうして1年が経ち2年が経ち、最高学年になって公式試合に参加するようになると部内のレギュラー争いというものが勃発した。競技の世界では必ず勝敗がつく。そして、みんな1番を目指して日々練習に励むものなんだろう。

しかし私には「勝ちたい」気持ちが圧倒的に少なかった。中学最後の公式試合出場をかけて部内試合をしたときに、少し苦手意識を持った子と当たった。「この子は負けず嫌いだから、私が勝負に勝ったら今後気まずくなるかもしれない…」そんなことを自分優勢な試合中に考えて手を抜いてしまった。そして負けた。試合の後、勝ったはずの子が私を睨みつけて泣きそうになっていたあの顔をいまでも忘れられない。

当時の私は本当に相手に対しても卓球という競技に対しても失礼だったと今は理解できる。「負けたら面倒」「勝ちにこだわってない私より勝ちたい子が勝てばいい」そんな考えで3年間も部活動に臨んでいたのは本当に申し訳なと思う。

だからと言って同じ局面で相手を負かす自信があるかというと「うーん」と悩んでしまうあたり私はあれから成長していない。臆病者の逃げと言われてもしょうがないけれど理解していることと実行できることは別。世の中には正義感に加えて勇気を持っている人、分け隔てなく人に接せられる人、困ったときに手を差し伸べてあげられる人…見習うべき素晴らしい人はたくさんいるのに、私は「わたし」という矮小な自分からなかなか抜け出す勇気がない。

現在は会社勤めで、同僚と競い合うということもなく協力して作業できていることが私の幸福なのかもしれない。

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