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水彩140字小説まとめ①

水、雨、海などに関する140字小説をまとめました!

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【No.032 少女水槽】
飼い猫である姫百合が、水槽の中の金魚を捕食していた。それがとても美味しそうに思えて、私も姫百合を倣うように残りの金魚を口に含む。少し喉に引っかかる。それからだ。私の体が透明になり、さながら水槽のようになったのは。体の中では亀やネオンテトラが窮屈そうに泳いでいた

【No.037 物語の泉】
物語の泉という場所があるそうだ。その泉では水の代わりに絶えず言葉が湧き出し続けて、溢れた文字が物語になって街へと流れるらしい。また、雨となっては空から降り注ぐ。蛇口から、雲から、地面から。物語は溢れ出してくる。君が流した涙もきっと、いつかどこかで物語になるのかも

【No.039 レイニー レイニー】
僕が子どもだった頃、雨の日にだけ家の中に現れる女の子がいた。一緒に絵を描いたり、歌を歌ったり。話をしたり。だから僕は雨の日が好きだった。「もうすぐ雨が止むから、そしたらさよならね」。それが女の子の最後の言葉だった。大人になった今でも、あの女の子とは会えずにいた

【No.049 軽いタマシイ】
風の強い日に傘を差すのが苦手だ。必死に傘にしがみついていると、私の軽い魂までもが吹き飛びそうで不安になる。だから私は雨が降っていても傘を差さない。いや、差せないのだ。軽い魂でも、流されるくらいなら濡れた方が楽だ。惨めだと笑われてもいい。私の軽い魂が守られるのなら

【No.050 アクアリウムの人魚】
とある水族館では、人魚が水槽の中を泳いでいます。「私も昔は人間だったのよ。声を出して泣かないように。好きな人の所へ行けないように。私は人魚になろうと思ったの」。そう言って笑う人魚は、今日も水槽の中で歌います。朝も夜も。明日も。百年後も。一人でずっと、一人でそっと

【No.063 雨降り】
「雨だ」と彼は言って、傘を私に差す。「いいよ。私まで変な目で見られちゃう」「でも、雨が降っているから」と。そうは言うが雨は降っていなかった。「雨なんか降ってないよ」と、私は彼に何度言っただろうか。雨なんか降ってないよ。雨なんか降ってないよ。雨なんか降っていないのに

【No.070 れいにー れいにー】
雨靴を履いた女の子が「る、る、る」と歌う。傘も差さずに「る、る、る」と歌う。一瞬のことだ。目の前で車に轢かれる。ウイスキーと煙草に興じる生活保護の女を思い出す。「命は平等じゃないんだって」と笑っていた。「命は不平等なんだって。だから私は生きてんの」と、笑っていた

【No.081 ウミガメの世界】
ここは水族館。ウミガメが視界をキョロキョロとさせています。男の子に女の子。お父さんにお母さん。お兄さんにお姉さん。おじいさんにおばあさん。色んな人達がやってきます。ウミガメはヒマそうに一言「わざわざお金を払って僕達に見られに来るなんて、人間達も変わってるなぁ」

【No.083 水槽都市】
「この街は水槽に沈んだんだよ」と、隣の家のお兄さんが言う。窓を開けると部屋に大量の水が流れ込む。ふわりと浮かんだ体で水没した街を泳ぐ。花も、鳥も、風も、月も。その全てが水の底だった。遠くに目を向ければ透明なアクリル板が見える。空を仰ぐと、太陽の光が揺らいでいた

【No.084 春の風】
二年前のことだ。小雨が降る中、僕と彼女は傘を差しながら夜桜を眺めていた。なんとなく別れの予感はあったのかもしれない。言葉は交わさず、ただ散りゆく桜の軌道を追いかける。あの日と同じく小雨が降る今日、適当に傘を取り出して頭上へ広げる。桜の花びらが数枚、地面へと落ちた

【No.092 笹舟】
公園のベンチに笹舟が置かれていた。そういえば、別れた彼女は笹舟を作るのが上手だった。笹舟を作っては噴水式の蛇口から水を出して、少し窪んだ水皿の中でどこにも行けない笹舟を揺らす。あの日の記憶も君との思い出も、笹舟と同じでどこにも流れないまま、僕も公園で揺らいでいた

【No.097 少女海月】
白くて大きな満月だった。海に潜りそうなほどの近さで。「海に月が沈んだら、クラゲになってふよふよ泳ぐんだよ」と、彼女がけらけら笑っていた。透き通るような肌の白さは、どこか月の光にも似ていて。「私も海に沈んで、クラゲになって、行方不明になりたいなぁ」と。笑っていた

【No.104 ちーちゃん】
夏休みが始まると、従妹のちーちゃんが私の家に遊びにくる。そうしたら縁側の柱で背くらべをしたり、底の深い川で遊ぶのが恒例だった。私が大人になった今、柱に記された、低いままのちーちゃんの身長を眺める。ごめんね、ちーちゃん。あのとき、大きい方のスイカを渡せばよかったね

【No.106 飴細工】
飴細工で作られた金魚が、時間を経てどんどろりんと溶けていきます。ポタリ、ポタリと流れる赤や橙の色が混ざり合います。私は飴を掬って、口の中に含みます。まるで金魚が肺で泳いでいるかのように、心臓はズクズクと高鳴ります。涙が溢れてきます。飴は少しだけ、苦い味がしました

【No.124 三分間の幸せ】
カップ焼きそばにお湯を注いでからの三分間を、お気に入りの文庫本を読みながら待つ。昔から湯切りが下手な私の代わりに、彼がお湯を流してくれる。「あ」「なに?」「かやく入れるの忘れた」「いいよ。僕は野菜が嫌いだから」なんて笑って。一つのカップ焼きそばを二人で分け合った

【No.128 粘土細工】
粘土細工が好きだ。不思議なことに自分が作った粘土細工には命が吹き込まれ、完成するとたちまち動き出す。ある日、突然の雨に降られて体が塗れてしまう。どこからか油の臭いがして、自分の体がどんどろりんと溶けだしていく。あぁ、なんだ。自分も誰かに作られた粘土細工だったのか

【No.133 未来都市③】
流れない噴水を眺めていると、彼女とデートしたことを思い出す。「どうして今まで忘れていたのよ」と、彼女の亡霊に責められているようで目を背けてしまう。落ち葉が噴水の底で静かにたたずんでいる。僕も落ち葉も思い出も、流れることのできないまま、風に揺れてはさまよっていた

【No.138 海辺の彼女①】
大嫌いな場所から逃げ出すため、私は家を飛び出した。財布。カメラ。携帯。持ってきたのはそれだけだ。制服のまま遠い遠い海岸へ行き着く。この海のようになれたのならば、母親は私を愛してくれただろうか。ザザン、ザザンと寄せては引いていく波のように、私はどこにも動けずにいた

【No.149 代々木公園】
冬になると、彼女と訪れた公園を思い出す。水の流れない噴水の絵を描いていた左手には、いくつもの吐きダコが滲んでいた。そっと写真を撮ったことに気づいた彼女は、なぜか哀しそうに見えた。今頃、君は、あの公園で泣いていて。今頃、渡り鳥も、あの公園で鳴いているのかもしれない

【No.154 雪融け水(百景 4番)】
哀しいことや辛いことがあると、私は決まって海岸へ向かう。どうしてだろう。おだやかな心で眺める海より、ボロボロでズクズクになった心で眺める海の方が、やけに澄んで見えた。遠くの山に目を向けると雪がしんしんと降り続く。その雪溶け水が海に流れて、私の足下を優しく濡らした

【No.161 流れる(百景 11番)】
あなたと再会するために、罪を償うために、私は辺境の島で明けない夜を過ごしています。渡り鳥が私を見つけてくれることを祈っています。海に浮かぶ漁り火よ。願わくば彼に伝えてください。私はここにいます。私はここにいます。おばあさんになるころには、あなたに会えるでしょうか

【No.163 水槽都市(百景 13番)】
人里から離れた山の中に、その集落はひっそりと佇んでいた。ダムを建設するために水の底へと沈んだ集落を、水面のレンズ越しに眺める。「この村と一緒に生きていくんだ」と言って命を捧げた彼の悲痛な声が、放流の中から聞こえた気がした。私の叶わない恋心も、水の底に沈んだのだ

【No.170 まどろむ人魚(百景 20番)】
人魚が海底の岩に座り、別の人魚に話しかけています。「私も昔は人間だったのよ。学生のころは先生のことが好きで、だけど、身分違いの恋だったから、諦めるしかなかったのよね。だから、先生の元へと駆け出さないように、声を上げて泣かないように、私は人魚になろうと思ったの」

【No.187 深海魚の瞳①(百景 37番)】
幼いころ、彼女の瞳には秘密があった。涙の代わりに真珠が溢れてくるのだ。金儲けのために親から暴力を振るわれて、毎日のように真珠を流していた。あのとき、彼女の頬を拭うふりをして、こっそりと盗んだ真珠が部屋から出てきた。彼女の泣き顔と罪悪感が、ボロボロ、ボロボロと流れていった

【No.192 落日(百景 42番)】
「最後まで面倒みるもん」と約束してくれたのは、いつのことだったでしょう。わたしは今、帰る家がありません。惜しむべきいのちがございません。ダンボールの中、毛布でちいさく丸まります。雨がからだを濡らしていきます。最後まで面倒みると約束してくれたのは、いつのことだったでしょう

【No.198 泪の海(百景 48番)】
「海ができた理由って知ってる? 最初は一滴の水だったのよ。水が岩に恋をして何度もアタックしたの。フラれる度に水は涙を流して、涙が波になって、何度も何度も砕け散って海になったのね。だから海はしょっぱいの」とくだらない話をあなたにするだけで嬉しかった。私の目から海が生まれた

【No.215 橙から群青(百景 65番)】
絵羽模様の和服を纏った彼女が砂浜で横たわっていた。「私はもう汚れてしまったの」と目を伏せる。波が彼女の茶色い髪を濡らすと、髪の至る部分の色が抜けて変色していた。夕陽が海に融けていって空が橙から群青に移りゆく。彼女も、空の色も、心さえも。病葉のように本来の色を失っていった

【No.222 海辺の彼女②(百景 72番)】
大学の演劇サークルで夏合宿に訪れる。みんなが海で遊んでいる間、泳げない私は砂の城を作ることに勤しんでいた。男の子が「泳がないの?」と聞いてくるのを無視すると、すぐに違う女の子と楽しそうに笑い合う。そのとき、横殴りの強い風が吹いて砂が目に入った。涙が流れたのは、きっと――

【No.226 海底都市(百景 76番)】
三年に一度、この国は海の底に沈んでしまうほどの満ち潮に見舞われる。1人に1台が当たり前になった舟で国の上を渡る。海が引くまでの十日間は隣の国に避難するのだ。あなたに会えなくなるわずか十日間が苦しかった。遠くの海を眺めると、まっしろな雲に包まれた隣の国が姿を現した

【No.230 揺れる(百景 80番)】
大雨に降られて髪をぐちゃぐちゃにしたまま帰ると、美容師である彼が髪を整えてくれた。ふと「私の髪が綺麗じゃなくなったら別れる?」なんて聞くと彼は俯く。心が乱れた。彼の気持ちがこのまま変わらないのは難しいだろう。彼は返事の代わりに、病気で抜け落ちつつある私の髪を優しく撫でた

【No.236 月の破片(百景 86番)】
「当たって砕けろ」の精神で挑んだ結果、私は見事に振られてしまった。橋の手すりに体を預けていると、波に映った月が揺れて光の残滓が広がる。その様子がまるで破片に見えた。私と同じように月も誰かに当たって砕けたのだろうか。ふいに涙が落ちては波紋が広がる。瞳に欠けた月が映り込んだ

【No.237 季節の変わり雨(百景 87番)】
季節の変わり雨が降ってくる。夕陽を溶かしながら落ちる黄金色の雨は、山や花々、風や人や命さえも濡らして、また別の季節に塗り替えていく。山は紅葉が色づいて風には生ぬるい温度が纏う。夏の対する憧れを消費できないまま、季節の変わり雨は季節を、心を、感傷を。強制的に次へと進ませた

【No.240 リペイント(百景 90番)】
鏡を見ると瞳が青色に染まっていた。どうやら感情によって瞳の色が変わるらしい。悲しいときは青色。悔しいときは緑色。嬉しいときは黄色。ある日、彼の浮気を知って泣き腫らしていると、瞳から赤い涙が溢れてきた。悲しいとも、悔しいとも、怒りとも違うこの感情は、一体なんだと言うのか

【No. 242 五十二ヘルツの鯨(百景 92番)】
いつからだろう。私の瞳の中には海が生まれていた。目をつむるとザザン、ザザンと波の音が聞こえて、頭のどこかでは姿の見えない鯨が鳴いた。眼球は常に下向きで青白さが滲む。五十二ヘルツの鯨と同じだ。誰にも気付かれず、誰からも見つけてもらえないまま、私は、涙の代わりに海水が流れた

【No.247 海に溶ける(百景 97番)】
夕陽が溶け出して雨のように海へと流れていく。橙色に染まる海に足を入れると、つま先から足首にかけて皮膚の色も橙色に染まる。海の中を泳ぐと感傷的な気持ちが体を浸食していく。薄情なあなたの元へと駆けていかないように、声を出して泣かないように、このまま人魚になって沈みたかった

【No.248 星見海岸(百景 98番)】
秋も深まる頃、海岸にメッセージボトルが流れ着く。夏休みの終わりに高校で催される『光流し』という行事だ。将来の夢や願い事を書いた紙を空き瓶に詰めて海に流す。私も昔は「好きな人と付き合いたい」と願ったことを思い出す。中に入っている色とりどりのビー玉がいくつもの音を生み出した

【No.298 雨うつつ】
子どものころ、雨の日にだけ見える友達がいた。いつのまにか部屋の中にいて「わたし、雨のひはそとであそばないといけないから」と困りながら笑う。彼女がどこから来て、どこへ消えるのか。大人になった今でもわからない。遠い日の思い出だ。ヘッドフォンで耳をふさぐ。雨の音だけが聞こえた

【No.311 ししおどしの老人】
久しぶりに銭湯へ行った。大きい湯船でのんびりしていると、老人が「カポーン、カポーン」と声に出していた。まるでししおどしそのものだ。「なにしてるんですか?」「いやね、これが私の仕事なんですよ」と喉を叩く。不思議な仕事もあるんだなと湯船から出る。銭湯には老人の良い声が響いた

【No.314 雨の行事】
「今日は不思議な行事を紹介します」とレポーターが伝えると、画面はとある学校に切り替わる。先生が「雨天決行です」と報告するや否や、生徒達は飛んだり跳ねたり喉を鳴らしたりの大騒ぎ。雨の中みんなで歩いて池までたどり着く。なかよく横一列に並ぶと、かえる達はゲコゲコと合唱を始めた

【No.320 釜茹での刑】
「お前は現世で悪行の限りを尽くした。よって、地獄の釜茹での刑だ!」と、閻魔大王が罪を犯した男を裁きます。邪鬼達に引き摺られてマグマ風呂に放り込まれる男。しかし生粋の江戸っ子であった男は「天にも召される気持ち良さだ」と唸ります。男の魂は天国へと昇っていき、善人となりました

【No.344 氷水】
喫茶店でメニューを眺めていると、氷水なるドリンクが置かれていた。一見するとただのお水なのに、コップを揺らすと氷同士がぶつかったようなカラン、コロンという音がする。まるで氷が入っているかのように、時間が経つと水かさが増していく。口に含むとバリ、ボリと見えない氷の塊が砕けた

【No.352 空のくじら】
海水の雨が降ります。小学校は錆びて朽ち果てます。今日も空ではくじらが泳いでいました。街に迷い込んだくじらは、親の元へと帰れず涙を流しました。そこに傘を差した女の子がやってきて「一緒に探してあげる」と言いました。くじらは女の子を背中に乗せます。1人と1匹の冒険が始まりました

【No.358 炉心融解】
牛乳をコップに注いで一分半温める。僅かに張る膜を人差し指で救い上げて口の中に入れる。美味しいわけではないけど昔からの癖だった。ココアパウダーをコップの中に落として軽く混ぜ合わせると、白と薄茶のコントラストがくるくると回転して、やがて一つになる。溶けて、融けて、解け合う

【No.363 深海魚の瞳】
私の瞳には秘密があった。涙の代わりに宝石が流れてくるのだ。生み落とされる宝石は瞳を傷つけて、その度に視力が悪くなっていく。親からは宝石欲しさに暴力を振るわれる。人前で泣かないように。気味悪がられないように。悲しみを奪われないように。人魚になって、海の底に沈みたいと願った

【No.364 ジュゴンの泳ぐ庭】
庭ではジュゴンが泳いでいた。尾ビレが揺らめき、お腹を数回ほど叩く。私はジュゴンのお腹を枕にして眠ると、体中を安心感が包む。彼に吐き出してしまった苦い感情も、私の救いようもない弱さも、今なら全て許される気がした。やり直すんだ。全てを失ったここから。この、ジュゴンの泳ぐ庭で

【No.369 影廊】
クラスの人気者の影から「存在」をトプン、と掬い出す。黒い塊が手のひらに乗っかる。そっと口に含むと、その人が経験してきた苦痛や幸せの味がした。飲み込む度にその人の影が薄くなる。代わりに私は存在感を増していく。みんなに気付いてもらえるように、今日も泥水のような影を飲み込んだ

【No.376 プールの底に】
プールの授業中、松葉杖の女の子が座っていた。同級生からは「人魚」と笑われる。それでも必ず参加するのは、せめてもの反抗だったのだろう。無口で、ふれたら泡になって消えてしまいそうな白い肌だった。久しぶりに小学校を訪れる。水の抜けたプールの底に、彼女の長い黒髪が見えた気がした

【No.383 かコイ(ネット動物園②)】
ネット動物園に訪れると、今日は『かコイ』が元気に泳いでいた。一匹の綺麗なメスを見つけると、オスが周りを泳ぎ続けて他のオスを寄せ付けないようにする。エサを集めたり、メスを攻撃しようものならば徹底的に噛み付く。口をパクパクさせる。今日も『かコイ』は、濁った水の中を泳いでいた

【No.426 新海クッキング】
港に行くと中年の漁師から料理会に招かれる。メンダコの卵を塩辛く和えたメンダイコ、尻尾を折ると甘い液が出るプッチンアナゴ。どれも不思議で奇妙な料理ばかりだ。ふと、漁師が呻き声を上げて倒れる。包丁を持った海女さんが僕の方を見た。「ごめんね。食材のオジサンが逃げ出しちゃって」

【No.433 ヘリウムガール(いろは式「へ」)】
「変な子」と思われないように。私の個性が、浮かばないように。クラスでは『自分』を沈めていた。深く深く潜るため、淡い期待も、軽い気体になって心から吐き出す。「空気の読めない子」と思われないように。私の存在が、浮かないように。息を吸って、淀みを吐いて。深海で生きていくように

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