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2024年、読んでよかったマンガ「氷の城壁」

先日、突然始まった年末企画。
今年良かった作品の、第2回を書いてみる。

前回はこちら。

今年出会った作品から印象に残ったものを残していきたくて、記憶をグッと辿って、今回はマンガから1作品。

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氷の城壁 

ジャンプコミックス
著 阿賀沢紅茶

あらすじ
主人公は、人との間に壁を作ってしまう女子高生、氷川小雪。明るい人気者の美姫、距離感が近い湊、優しくのんびりした陽太の四人を中心に高校生活を描く。
もどかしい人間関係の中で優しさを感じるストーリー。

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普通の青春ラブコメだと思って読むと、驚かされる。
大人にも刺さる名言がボコボコ飛び出す作品だ。

はじめは、第一印象で「怖い」と思われがちな主人公が変身していくストーリーかと思った。でも少し、違う。それぞれ性格がちがうキャラクターが、誰も否定されることなく描かれている感じなのだ。

合わない人といるよりは一人で居たい小雪。
対して、友だちの美姫は「女神」と呼ばれる皆の人気者。だけど、みんなの前で素が出せずに、疲れてしまっている。

美姫「こゆんみたいに一人でいられる強さ欲しいな」
(中略)
小雪「人のことを考えて立ち回れる人はステキだよ」

一人ひとりの感じ方や立場を否定することのないやり取りが心地良い。誰かの思考を言語化するシーンが多いのだけれど、切り取り方や言葉選びが絶妙なのだ。

現在、13巻まで発売されていて、沢山の出来事を経てきたけれど、それぞれのキャラクターが持つ、本質的な部分は変わっていないと思う。

13巻で小雪は言う
「自分の手が届かない部分のバランスまで取ろうとすると疲れちゃうよ」

あー…。
心当たりがありすぎる。

スッとあたたかい気持ちになったり、ガツンと殴られたように気付かされたり、いろいろな好きが詰まっている。

無理せず自分を保つ人。周りを気にかける人。
どっちが正解なんてない。お互いに、考え方の違う相手の言葉に心を埋めてもらったりしながら、あたたかい葛藤が続く。

もちろん、恋愛も大事な要素なのだけれど、こちらも最近珍しいくらい、ピュアでみんながお互いを大事にしていて、とてもいい。

年始に最終巻が出るのを、ずっと楽しみにしている。
どうか、みんなが幸せなラストでありますように。

Kindle版はこちら



おまけ

実は、同じ作者さんで、もう1つ好きな作品があったので、こちらも。

「正反対な君と僕」
同じく学園モノで、こちらのほうが恋愛に主軸が置かれている。実は、主人公の2人よりも周りのキャラクターが好きな作品。こちらも名言多し。
アニメ化が決まったそうなので、いつか記事に書きたいな。

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