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古書店で何気なく手にとった詩集 ビビビと来て即購入 詩を読まない私が 唯一好きだと思った詩が 載っている詩集 後日あなたに話したら あなたも同じ詩集を持っていると いくらあなたが読書家だからといって この世に万とある本の海の中 同じ詩集を偶然求めるなんて しかもこんなに狭く小さな古書店で まるであなたにビビビと来たみたいで 気持ち悪いような すこし嬉しいような そしてそんな二人が睦まじくいるためには 今となってはいったい 何をどうしたらいいものやら
本が好きだったあなたは たくさん本をプレゼントしてくれた 誕生日にくれたのは 箱入りのとくべつな本 「ぼくが一番好きな本」と言って くれた 早く読みたいけれど なんだか家をちゃんと片付けてから ゆっくりした気持ちで ていねいに箱から出したくて ずっと本棚の一等席で 出番を待っていた こんなことになるなら 仕事が山積みでも 部屋がぐちゃぐちゃでも すぐに まっさきに読んで たくさん感想を伝えたらよかった きっとあなたは ずっと待ってくれていたのに 今はまだ 一ページも