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[4] The Standard @Bangkok, Thailand

滞在時期:2024年2月

Anything But The Standard(常識の枠を越える)をブランド・スローガンに掲げ、ロゴは逆さま。型破りなデザインや、ユーモラスなブランド接点がとにかく楽しいホテル。個人的に一番好きなブランドで、Section Lのメンバー達と、よく感化されています。

ブランドの歴史

Bangkokは2022年に開業したThe Standardの8店舗目になります。1店舗目は1999年にHollywoodで開業。物件の出資陣にはレオナルド・デカプリオやキャメロン・ディアスなどのスーパーハリウッドスターが名を連ね、凡人には真似のできないスタートを切った創業者はAndré Balazsというホテル・ナイトクラブ・レストランを手がける資産家でした。

当人はニューヨークにStandard High LineとStandard East Villageを開業した後、2013年に不動産投資家のAmar LalvaniとStandard International(運営会社)を立ち上げ、The Standardのブランドを譲渡。Amar LalvaniがThe Standardをグローバルブランドに成長させていきます。

アイコニックな建物

カプセルのようなエレベーターがファサードを上下するThe Standard Londonやニューヨークの空中公園High Lineを跨ぐように建てられたThe Standard High Line(こちらは別記事で紹介します)。それをもってして、フラグシップと称されるのが、The Standard Bangkokです。

The Standard London (引用)
The Standard High Line (引用)

タイの大手デベロッパー(Pace Development)とドイツの建築士Ole Scheerenによって2016年に竣工されたMakanahonの一角を占める、The Standard Bangkok。SF映画の中にいる錯覚を見るかのようなMakanahonのファサードは、バンコク屈指のランドマークです。

Makanahon (引用)

タイで最も標高の高い建造物でもあり、ルーフトップは人気の観光地で、Standardの直営ではないですが、宿泊者には無料のルーフトップアクセスとドリンクチケットが送られます。

チェックイン時に渡される数ある料飲施設のクーポン券

76階のThe Standard直営の高級メキシカンOJOは、息をのむ店構えで、利用はしませんでした。

OJO (引用)
OJO (引用)
ルーフトップの夜景には最早現実味がない

インテリアデザインと豊富な料飲コンテンツ

奇抜な色使いなのに、不思議と時代を感じさせないインテリアデザイナーはスペインにあるHayon Studio。ブランド接点にはStandard共通のディレクションが見られます。百聞は一見にしかずなので、今回は写真多めでまとめます。

いきなりThe Standardの世界観な到着ロビー。笹で程よくオリエンタルを演出している
The Standardのショップも大事なブランド接点
よくわからないけど欲しくなるオリジナル雑貨達
実はホテルの用途空間によって色分けがされている。チェックインロビーはイエロー
空間そのものが現代アート
アート類はとにかくシュール
小物もよく見ると全部ちょっとむかつく
カフェ・ラウンジエリア
DJブースは
実はこの中に
どうしたらこれがTea Roomなのか
ホテルの中には複数のバーが存在
絵になる廊下
役に立ちながらユニークなブランド接点
共用部の丸みを引き継ぎながらも、部屋の色使いは落ち着いている
ソファの快適さとダイニングの機能性
バスエリアの至る所にも共用部のデザイン言語が見られる
シンプルにユニークに
クローゼットは洋服屋のよう
バスローブも頑固に部屋の基調に合わせた模様
タイのお寺の要素を取り入れたプールサイドバー
曲線はプールの中にも
たまらない
NY・LondonにもあるグリルレストランDouble Standard
Double Standardという言葉遊びが本当お洒落
これも直営のチャイニーズレストラン
夜は相当雰囲気が良いでしょう

ブランドの価値

どこのThe Standardも、ブランディングのクリエイティブは一見ふざけた演出なのに、エレガンスが溢れ出していて、空間デザインは奇抜なのにマテリアルはしっかりハイクオリティーです。スタッフのユニフォームも非常にファッショナブルかつサービスにも抜け目なく、4つ星〜5つ星ホテルの価格帯で好戦しています。このDNAを創り出したAndré Balazsと、スケールさせても質を落とすどころか進化させたAmar Lalvaniは正に業界の巨匠。

今年8月にHyattによる、Standard International(Standardブランドの運営会社)の約520億円での買収発表は、業界を騒がせました。Standard Internationalによって営業されているホテルは計21店舗・約2000室(うちStandardブランドは9店舗)。それに加え30店舗が開業準備中という事を加味しても、この規模に対して520億円という買収額には、ブランドの力強さを誰しもが認めた瞬間でした。

The Standard HPより
The Standard HPより


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