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毎週ショートショートnote 参加作品

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たらはかにさん主催の『毎週ショートショートnote』に参加した作品を集めています。原則410字以内!お気軽にお立ち寄り下さい~。 (上の画像は、たらはかにさんからお借りしています)
運営しているクリエイター

記事一覧

かもしれない弁天【毎週ショートショートnote】

*サムネの七福神イラストと見比べてお楽しみください! 弁財天は、とにかくモテた。 何しろ…

秋田柴子
4日前
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月夜の寝ぐせ【毎週ショートショートnote】

仔ぎつねは母親を知らない。 乳の味を覚える前に、母親が巣穴へ戻らなくなったのだ。崖から落…

秋田柴子
3週間前
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逢いたい菜【毎週ショートショートnote】

彼に会うのは1年ぶりだ。 待つ間も緊張で胸が高鳴る。 「よう舞、ひっさしぶりー! なに、…

秋田柴子
1か月前
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誤字審査【毎週ショートショートnote】

「サエちゃん、今日の宿題は何?」 「さくぶん」 「何を書くの?」 「『家族について書きなさ…

秋田柴子
1か月前
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釜揚げ師走【毎週ショートショートnote】

【釜揚げ師走 あり〼】 貼り紙に釣られて暖簾をくぐると、店の壁にずらりと品書きが並んでい…

秋田柴子
2か月前
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スネーク満床【毎週ショートショートnote】

金運が上がると言われる巳年。 その蛇を祀る多良波神社では、古来から「巳年の最初の巳の日に…

秋田柴子
1か月前
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決闘年越しそば×豪華絢爛仕事納め【毎週ショートショートnote】

「愚か者め! その方、素手でわしに勝つつもりか」 「ぬぅ……!」 追い詰められた信州そばは、傷を負いながらも宿敵の出雲そばを睨みつけた。 「日本三大そばと言われながらも信州ばかりの繁盛、もはや堪え難し。ゆく年の土産に血祭りに上げてやるわ!」 「岩手は……奥州はどうした」 「ふん、犬ころそばなど所詮は田舎者、神集う地の我らには屁でもないわ。目障りなのは信州、その方よ。覚悟っ!」 出雲は目にも留まらぬ速さで、幾重にも重なった塗りの皿を手裏剣のように投げつけた。 「うあ

ジンジャークッキーイブ【毎週ショートショートnote】

「来られない!?」 24日の夜。「体調悪くて」と待ち合わせの最寄り駅にかかってきた彼からの…

秋田柴子
2か月前
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忘年怪異【毎週ショートショートnote】

「あれ、来年て何年?」 年賀状のデザインを考えていた田原は、ふと考え込んだ。 そもそも今…

秋田柴子
2か月前
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山岳フリマ【毎週ショートショートnote】

「ずいぶん奮発したな」 上から下まで派手に決めた誠を見て、登山ビギナーあるあるか、と伸二…

秋田柴子
2か月前
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この中にお殿様はいらっしゃいますか?【毎週ショートショートnote】

「殿は何処じゃ!」 ――またか。 幼い頃から乳兄弟として育った右近には判っている。書物蔵…

秋田柴子
3か月前
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それでも地球は曲がってる【毎週ショートショートnote】

「おい、地球! 今度こそヘマすんじゃねえぞ!」 木星のダミ声に地球は縮み上がった。 しま…

秋田柴子
4か月前
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人生は洗濯の連続【毎週ショートショートnote】

やたらとお漏らしする子供だったらしい。 「ほんとにあんたは、小学校上がってもしょっちゅう…

秋田柴子
4か月前
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夜からの手紙【毎週ショートショートnote】

夜の海辺で一人の女性が涙にくれていた。 大事な恋を失くしでもしたのだろうか。 月明かりに光る涙を見た夜は、その女性に恋をした。 毎晩海辺へ現れる女性に気持ちを伝える術はないものか。 夜は頭を悩ませた。 春の宵に甘い香りを流しても、夏に涼しげな風を吹かせても、彼女は夜の想いに気づかない。それならばと秋の虫に唄わせても、彼女の心には届かなかった。 やがて冬が来た頃、夜は考えた。 香りも風も虫の音も駄目ならば、いっそ手紙に想いを託そうと。 そうして夜は、空いっぱいに星を散り