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在り方



人が他人に対し否定をすることなく、この人にはこの人にしかわからない事があるからと思えたらきっと喧嘩や戦争はなかったのではないだろうか。

 最近、ASDとADHDを持つという人に出会った。ADHDはなんとなく聞いた事があったけれどASDが何なのかわからなくて聞こうと思ったが彼はそのことが自分にとってコンプレックスでありハンデだと言っていた為、本人に聞くのは躊躇われた。後に調べてみたところADHDは不注意、多動性、衝動性といった特性がありASDは社会的コミュニケーションや対人関係の困難さが特性とのことだった。

 でもそれは誰しもが同じなのではないかと思った。誰も本当の意味で自分以外の人間を理解することなどできないのだ。それでも彼は理解しようとして理解ができず苦しんでいたが、理解しようと思えばできたとしても自分とは考え方が違うからこいつは間違っていると排他的な思想の持ち主はたくさんいる。

 私は彼はとても心が綺麗な人だと思った。導き出した答えが正解なのかわからないものを理解しようとするのはきっと楽な時間ではないはずなのにそんな中でも人に優しくあろうと気遣う事が当たり前のように振る舞う姿はとても格好良く見えた。 過去にはその病気のことで他人に心無いことを言われ傷付く事も少なくなかったと悲しそうな顔をして私に語ってくれた彼の先の人生にその優しさや正直さが報われる時が来ることを心から祈るばかりだ。

 彼がこの文を見る日が来るとしたら、どうか忘れないでいて欲しい事がある。あくまで私個人の意見でしかない事だが私なりの言葉で言わせてほしい。

そんなに自分の事を下げるような言い方なんてしないで欲しい。貴方がコンプレックスやハンデだと言ったそれは個性であってそのことで傷付く必要なんてないし、もしこれからそれで貴方の事を傷付ける人がいたらその人は貴方より優しさを知らない人なんだと思ってあげて欲しい。私は誰よりも他人の事を考える事ができる貴方はとても素敵な人だと思います。貴方が変わる必要なんてどこにも無いからね。いつまでもそのままの優しい貴方でいてください。

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