《詩》僕は壊された
僕は壊された
いまも僕は自傷しつづける
誰も僕を救えない
僕も僕を救えない
原理的には死ぬしかないが
原理は人を殺せない
人を殺すのは人の手であって
理念ではないのだから
原理は人を殺せない
頭のなかの
いくつものガラクタ
文学は僕を救えない
文学を語る言葉たちの
あまりの鈍重さに毒されて
僕の文学は
いとも容易く昏倒した
僕の文学は
僕のことばはもはや
僕を救えない
音楽も絵画も灰色に染まって
抹香臭くなったものだ
踏みにじる靴底だけが
いつでも絶対的に正義なのだから
世界の奥底に叩きつけられて
じわじわと体液を滲ませつづける瀕死体が
月に照らされて
てらてら光ってら