『イニシェリン島の精霊』監督・脚本 マーティン・マクドナー
映画館で待望のマクドナー監督の新作を観ました。
戻そうとしないで。
ずっと変わらない毎日を明日も来年も十年後も死ぬまで永遠に望むのは、とても人間らしからぬ考えだと思うから。
ずっと変わらない毎日を続けたいパードリック。
老境に入りこれからの人生を考え行動に移したコルムと、島や兄との二人暮らしに不満が募っているが島から出ようとしない、まだ未来がどうなるかわからない、どうすることもできる、年齢のパードリックの妹、シボーンとの対比。
それぞれのパートナー、犬とロバ。
どこにいても目に映る雄大な美しい島の景色と、その島に住む閉塞的な人と人との関係と心情。
その対比が見事すぎる。
アイルランドの内戦という大きな戦争だけど島の向こう。
たった二人の間のごく狭い。すべて。
エンディングのクレジットが流れたとき、涙が出た。
前作の『スリー・ビルボード』が素晴らしすぎて、昨年から楽しみにしていた今作で、マクドナー監督のとりこになった。
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