【読書感想】 男子が10代のうちに考えておきたいこと を読みました!
こんにちは、じゅくしんです!
今日の読書感想は、
男子が10代のうちに考えておきたいこと
田中俊之著
を読みました!
10代の男子向けに書かれた、男性学というのかな…要はメンズリブをわかりやすく噛み砕いて説明した感じ。
男はズボン/女はスカートあるいは、男は化粧しない/女は化粧するといった男女をめぐる社会的なルールが、文化に書き込まれている。このような社会的、文化的に規定された「男らしさ」/「女らしさ」をジェンダーと言う。
男女への期待が性格であれば、果敢/慎重、思考であれば解決/共感、そして、役割であれば仕事/家庭と言うように対照的に規定されている。
その結果、男性と女性は全く異なる特性を持つ2つのグループとして理解されることになる。よくマスメディアでもこの区別が使われているので、「男脳」/「女脳」の違いからこういった差が生まれるのではないかと思った人もいるかもしれないが、脳の場合は、男性的女性的とされる特性は誰もが持っていて、性別よりも個人差の方が大きいと考えられている。
多くの女性が結婚、妊娠、そして出産をきっかけに社会から離れることになる。男性には社会人を続けられる特権が与えられていると言える。しかしこの特権には代償があり、現代の日本で男性だからこその不自由で最大のものは、40年にわたって働くと言うルール。人生の半分に相当する位の非常に長い期間、性別役割分業を前提とした社会システムでは、男性が定年まで働くのは普通だとされている。社会人となった男性の目の前には働くしかない現実があり、そうした環境に置かれる中で、働いてさえいれば良いと言う意識を持つようになる。
男性は女性よりも有利な点が多いが、その代償として男らしさに沿った生き方を期待される。仕事では定年まで正社員として働き続けなければならない。小さい頃から、涙を見せるな、男は強くあれと育てられるのは、長期間にわたって耐えるものとしての仕事に向き合うための準備としての側面もある。
1990年代にはメンズリブ運動が勢いを見せたが、2000年代を迎える頃には早くも衰退していた。理由としては一口に男性といっても、その中に世代やセクシャリティによる多様性が存在したため。
様々な立場の男性が参加したことによって、メンズリブ運動はまとまりを欠くことになってしまった。
アメリカでも男性運動はあるが、その中の1つに男性の権利運動と言うアンチフェミニストによる活動がある。離婚した際男性の親権が認められにくいこと、男性の自殺率の高さ、あるいは、レイプ事件の冤罪などを根拠に男性は女性に権利を奪われている男性こそが被害者だと主張することが基本的なスタンス。女性に対する嫌悪をミソジニーと言うが、自分自身のプライドを満たすために問題をすり替えて女性に対する攻撃で解消しようとしているような集団。
大切なのは、男と言う縛りに振り回される必要はないと言うこと。自分の中の多様性に気づき、それを大切にする。かわいいものが好きでもいいし、少女漫画を読んでも大丈夫。男らしさや女らしさを他人に強要しない。
本書を読んで感じたこと
本書を読んで感じたのは、日々の生活の中に当たり前のように男性差別であったり女性差別であったりすることがあると言うこと。
社会は未だに保守的な男らしさや女らしさと言うものに縛られていて、そこを変えていく、変わっていくのはまだまだ先が長いかもしれない。
私は、同性愛者であるのに、ノンケっぽい、もしくは男らしい男性に惹かれるのは、男らしくあれと言う見えない圧力に窮屈な思いをしたまま思春期を過ごしたことによって、そういったコンプレックスを抱えたまま大人になったことで、自分に欠落している男らしさと言うものを無意識に追い求めているから惹かれるのだろうか。それとももっと本能的な部分で惹かれているものがあるのだろうか。不思議だ。
しかし、思った以上に自分の中に根強い差別感のようなものがあることに気づく。ゲイという、あるいみ性別の中間のような場所にいるかと思いきや意外と保守的な思考を持っているのだな私は。と思った。