キム・ヨナ「死の舞踏」~音楽に寄せる愛8
このように真央ちゃん推しではありましたが、私はライバルのキム・ヨナ選手も好きでした。彼女の好きなところは、ジャンプの流れがきれいなところ。私はエッジエラーとか、回転不足とか、長年見てても細かいところはよく分かりません。年々視力も下がってきますし(笑)。が、この方はジャンプ前の溜めがあまりなく、さらっと跳ぶのでカッコいいなあ、と思って見てました。
シニアに上がった頃は冒頭、フリップ-トゥループの3-3ジャンプをされていて、毎回、突っ込んでくるときのスピードが凄かった。バックの観客席の流れる速さが他の選手と段違いに違う。この助走スピードは男子並みだなあ、と。バンクーバー五輪前になり、エッジエラー対策のためかルッツ-トゥループの3-3に代わってからスピード感が減ったので、ちょっと残念でした。
渾名が軍人とのことで、なるほど、「絶対に負けない」根性が据わっていらっしゃる(笑)。休養明けにサッと勝って帰っていく。大舞台で失敗しない、精神力が強いのも私の好きなところで、敵ながらアッパレと思ってました。
あと、エキシビションにあまり力を入れてらっしゃらない風に私には見えていて、それが「スケートはそんなに好きじゃないけど、ビジネスのためにやってるの」と割り切ってそうで、でも強い、そんなクールな感じが私にツボってました。(私の勝手な解釈ですよ、もちろん💦)
あの~、これもあくまで私の主観なんですけど、
魔女っ子メグちゃんの メグ vs ノン とか、
ガラスの仮面の 北島マヤ vs 姫川亜弓 とか、
大河ドラマ八重の桜の 新島八重(綾瀬はるか) vs 中野竹子(黒木メイサ)とか、
こういう図式が現実にあったら私、必ず萌えてしまいます(笑)。
そのキム・ヨナ選手の演技で一番好きなのが死の舞踏/サンサーンス(2009年世界選手権SP)。死神の鬼っ子が自由自在に死者を操り躍らせる。冒頭、首を振るところから阿修羅か歌舞伎の見得みたいでカッコいい! あっという間にこの曲の、彼女の世界観に引き込まれてしまいます。
この曲は初演当時はその不気味さゆえか、不評だったとか。春の祭典/ストラヴィンスキーも初演の舞台は大不評だったそうですし、名作の運命ってやつでしょうか。真央ちゃんの鐘/ラフマニノフ(2010年バンクーバー五輪FP)も最初不評で、私もえ~五輪でこんな暗い曲で滑るの? と思いましたが、後になって名作と分かりました。
彼女の演技では他、
ムーラン・ルージュ(2007年世界選手権SP)
007(2010年バンクーバー五輪SP)
もそうですが、彼女はこういう、ダークな、蠱惑的な曲がよく似合っている(褒めてます🥰)。
ところで、見出し画像を浅田真央は天使、キム・ヨナは悪魔にしたのは「愛の夢」と「死の舞踏」のイメージで選んだものです。真央ちゃんにも魔女感全開のプログラムがありました。現役最後の恋は魔術師/ファリャのSPです。ポニーテールにして小悪魔っぽく滑るやつ。これこれ、こういうのもっと見せてー!と嬉しかったのですが、そのシーズンで引退しちゃったんですよね・・・。
紹介した演技は全て素晴らしいので、ご興味持たれた方はぜひ、検索してご覧くださいませ。