映画『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』
ガンダムファンにもおなじみ『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』(Zの外伝『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』のモビルスーツの名称に、うさぎたちの名前が使われてる)。HDリマスター版&原語版日本初劇場公開、ということで、イメージフォーラムに(イギリスは4K版だよ。なぜHD?という疑問は残る)。
劇場で観るのは、日本語版の公開当時に地元近くの徳山の映画館で、以来だから、44年ぶりかぁ(DVDは持ってる)。その後のアニメシリーズも、NetflixのCG版も観たけど、この映画のオマージュの域を出てなくて、ちょっと肩透かしをくらった気がした。それだけ、この映画が素晴らしい、ということでもあるけど。
初めて見た高校生当時は、仲間と新しいコミュニティを築いていくヘイズルの冒険にワクワクしながら観ていた。今は、目的を成し遂げた後の老ヘイズルやあの最後の闘いの時の将軍は、一体どんな気持ちだったのか、とか、視点がそっちに移っている自分に気が付いた。時が経つ、歳を取るというのはそういうことか!
あの長い原作(高校生の当時に夢中になって読んだ)をとてもうまくまとめた作品なのだけれども、クローバーやハイゼンスレイとか雌ウサギの描写が少ないのが返す返すも残念(映画では、クローバーが農家から逃げてないかのように、その後出て来ない)。あと、これは原作からそうなのだが、雌たちを、自分たちのコミュニティ実現のためのトロフィーのように扱ってるきらいもなきにしもあらず。そこに時代的な古さはある。でもジュブナイル要素満載の冒険小説としては、やはり語り継がれる名作。
オリジナル版を鑑賞して、古川登志夫さん他錚々たるメンバーの日本語版も秀逸だったな、と改めて(原語版が悪いという意味ではないので、あしからず)。将軍、森山周一郎さんだもの。唯一無二だね。キーハーのおひょいさんも、原語版の雰囲気に沿いつつも、さらにバージョンアップしてる。役作りさすが。