スクラムマスターの育成にデリゲーションポーカー使ったら、モヤっとした
SpecteeでVPoEをしております。おーのAです。
一部のチームのEM兼任しておりますが、その一環でチームのスクラムマスターの育成と支援をしております。今回はスクラムマスターにデリゲーションポーカーを実施しましたが、モヤっとすることがあり、この辺りについて記事を書いてみました。
過去にPOの役割を委譲していくためにデリゲーションポーカーを実施したのですが、その体験は非常に良かったです。その記事はこちらです。
今回はどこまでスクラムマスターの役割をお願いするかを話すためのツールとしてデリゲーションポーカーを試してみました。
スクラムマスターへの役割委譲
スクラムマスターの選定
エンジニアリングマネージャーである私は数ヶ月前までスクラムマスターの役割も担っていました。しかし、チームとの関わりが少なくなり、それ共にチームのメンバー間の関係性の見え方が見えなくなっていました。そこで、3ヶ月ほど前にメンバーからの信頼の厚いメンバーであるYさんに開発者兼任でスクラムマスターの役割を依頼し、快諾してもらいました。
Yさんのスクラムマスターの役割の模索
当初はメンバーの関係性を見て円滑に議論と決定を促せるように支援してほしいことをYさんに伝えました。そして、今後少しずつ私が担っているスクラムマスター的な役割を委譲することも同時に伝えていました。
2ヶ月ほど経った頃、1on1で、彼自身スクラムマスターとして何をすることが良いか分からず悩んでいることを聞きました。そこで、以前POとチャレンジして良かった今回デリゲーションポーカーを実施することに至りました。
スクラムマスターのデリゲーションポーカーをやってみた
何か感じる違和感
デリゲーションポーカーをする中で違和感がありました。
1つ目は項目出しでした。「それは一体何をすることなのか」ということがかなり曖昧であること、そして、「この項目はスクラムマスターの役割ではなく、チームの役割ではないか」ということです。
そもそもスクラムマスターには権限がないことに気がつく
話をする中で、私がやっていることが権限ではないことに気がつきました。
スクラムマスターに権限があることは少ないです。スクラムマスターの役割は、ガイドやコーチとしての側面が強く、直接的な権限行使は限定的です。Yさんと話をする中でこのことに気がつかされました。
デリゲーションポーカーは権限を委譲するためのゲームであり、スクラムマスターは権限を持たないこと、これが違和感の正体でした。
私とYさんの共通認識を作る事ができた
Yさんとのデリゲーションポーカーは3時間程度話をしました。その中で、「それはスクラムマスターの役割ではない」とか、「スクラムマスターはそれをしてはいけない」とか、そのような議論をすることができました。
結果として、権限委譲するツールとしてデリゲーションポーカー自体が良いツールだったかどうかはともかく、Yさんが認識している役割と私の考えていることの齟齬を解消するためにとても良い時間になりました。
また、Yさんもご自身が担うべきことへの解像度が高まったようで、デリゲーションポーカーを実施したこと自体、結果的には良かったです。
思うところはあるものの、デリゲーションポーカーはやっぱり良いツール
デリゲーションポーカーをやりながらめちゃめちゃモヤることは多かったのですが、結局のところ、対話することが大事で、そういった場を楽しく議論できるという意味ではデリゲーションポーカーは良いツールだと思いました。スクラムマスターの育成を悩んでいる方には1度チャレンジすることをオススメしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
(なお、今回初めてトップ画像にdora_e_mさんのブログの画像生成GPTsを使わせていただきました。今後も活用させていただこうと思います。)