雑感40:経営パワーの危機―会社再建の企業変革ドラマ
変革をリードする経営パワーを持つ人材が枯渇している。倒産寸前の会社に若き戦略型リーダーが舞い降りて、ついに成長企業に蘇らせる!実話に基づく迫真のケース。前著『戦略プロフェッショナル』より進んだ戦略手法の応用から抵抗勢力との闘い、リーダー育成法まで実践解説。
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前回に続き、三枝匡先生の本。
先に読んだ「V字回復の経営」の方が後に出版されたようですね。やはり「V字回復の経営」が先生の集大成だったのか(?)、今回読んだ「経営パワーの危機」はそれほど衝撃は受けなかったというか、「V字回復の経営」の衝撃が私には強すぎた??
ただ、この2冊はまったく同じこと書いているわけは勿論なく、主人公の立場も違う。今回は中小企業の立て直しに40歳前後のサラリーマンが指名されて、あれやこれやと奮闘する話。会社を傾けた前任の社長や、年上の部下とか、本社人事の影響で送られてきた大物とのバランス感覚というか、仕事の進め方、経営者としての振る舞い方は読んでて「ほー」と思う。
何にせよ前回の雑感に通じるかもしれないが(前回何を書いたかもう覚えていないが・・・)、会社としての成功へのストーリー・シナリオって重要なんだと思う。本当に。
文中に「教訓」として書かれているのが、
「全社的に、短期、長期の話が一つのストーリーで繋がっていて、一人のしていることが全体の絵のどの部分に当たるかが全員に見えているときに、社内のエネルギーは束になる。」
結局、いつまで存続するか分からない、いつ潰れるかわからない民間企業に勤めている以上、従業員は事業の成功・成長への希望・期待を持つし、それを経営者に示してもらいたい。経営者は示さないといけない。
それがまわりまわって従業員のモチベーションになり、成果も得られ、離職率も適度に下がり、好循環を生むのではないだろうか。性善説的に考えると。
ただこれって組織のツリー・ヒエラルキーの上の方の人たちが、シナリオ・ストーリーをしっかり考える能力・力量・センスを持っていないといけないし、持っていなかったら潔く外部に頼る柔軟性も必要だし、あととにかく「発信」しないと意味ないかと。せっかく作ったシナリオも、周りに伝わっていなかったら全く意味ない。この「発信」って難しい気がする。「発信」せず作って満足している人、多い気がする。プラモデルじゃないんだからさ。
堂々と自信をもって、分かりやすく、求心力・扇動力ある振る舞いで、従業員に伝える。これができる人ってなかなかいない気がするな。扇動というか先導か?
こんな大きい話ではなくても、結局「何のためにこの仕事をやっているのか?」を理解できず、自分のイメージ・やりたいこととのギャップが大きい時、会社を辞めてしまう人が多い気がする。新入社員とか見ていると。
「俺の背中を見て学べ」とか、そういうのもありなんだろうけど、そういうことを説明してくれる、いい意味で若い人のモチベーションを高め、鼓舞してくれる先輩や上司に出合えるかどうかは、その人の人生を大きく左右するような気がする。外的要因だけど。
いつも通り適当なことを書いてしまった。
最後に本書に書いてあった「事業マインド失った人」の3項目を書きます。
1.新しいことに鈍感
2.自分で決めるのはイヤ
3.「成功」への執着心が薄い
自分のやっている事業をいい意味でも悪い意味でもよく理解しているので、新しいことをやろうとすると、評論家的に理由をつけて否定する。評論家なので自分では決めない、手を下さない。自分事と捉えて仕事をしない。
そんなに寿命縮めるほど働きたくはないが、社内評論家にだけは、年をとってもなりたくないなあ、と強く思います。
今日、川辺を少しランニングしましたが、種類によっては桜も咲いてきました。
ということで、終わります。