スマホ時代の子育てーLINEグループの体験から考える親子の関係
私の時代にはなかったスマホというものが、今では子どもたちの生活の一部になっています。その変化の大きさに驚くと同時に、親としてどう対応すべきか悩む場面も多いものです。
娘が6年生の時、LINEグループのやり取りで友人関係がこじれ、涙を流していました。私も理由を深く掘り下げることなく、ひとまず同級生とのLINEの使用を中学に上がるまで禁止しました。もちろん、私の対応がすべて正しかったわけではないと思いますが、当時は「問題を避けるため」という考えが強かったのです。
ところが、先日、娘のスマホを借りた時のこと。通知音が鳴り続けていて確認すると、「6年生グループ」と名付けられた約45人のLINEグループに入っていました。やり取りの内容は、他愛もないものから、正直どういう意味があるのか分からないものまでさまざまでした。
グループの目的を尋ねると、娘は「分からない」と答えるばかり。娘が楽しんでいるのか尋ねてもはっきりせず、私は複雑な気持ちになりました。結果的に、娘には即退会を促しましたが、その後、怒りや驚き、悲しみが入り混じった感情で、しばらく娘と話すことができませんでした。
私の時代にはなかったツールがもたらす新しい課題に、どう向き合えばいいのか分からなかったのです。
今振り返ると、この時の私は、すべての物事に「目的」が必要だという、大人世界の妄想に取り憑かれていたのだと思います。
「目的がなければ価値がない」「何かをするには意味が必要」——そんな大人の常識を、無意識に娘にも押し付けていたのでしょう。でも、目的がないならないで、子どもたちは子どもたちなりに、自分たちで考え、模索し、楽しむ力を持っているのだと思います。それを信じる余裕が、当時の私にはなかったのかもしれません。
私は、娘の世界に手を出しすぎていたのです。過保護という言葉とは少し違いますが、娘が自分で経験を通じて学ぶ機会を、私自身の不安や価値観で奪ってしまっていたのかもしれない、と今になって反省しています。
改めて考えると、私が昔いじめを受けた経験や、違いを尊重する価値観を大切にしてきたことが影響しているのかもしれません。「無目的なグループ」にいることで、娘がいじめの傍観者になる可能性を想像すると、不安が募ります。
そこで思ったのは、LINEグループのようなコミュニケーションの場には最低限のルールが必要だということです。例えば、以下のようなルールを設けることで、トラブルを防ぎやすくなるのではないでしょうか。
グループの目的を明確にすること
・「何のために存在するのか」をノートなどに記載する。
・共有内容の基準を設定する(例:趣味の共有、遊びの日程調整など)。勝手に友達を追加しないこと
・メンバーの追加には相手の了承を得ることが大切です。
これらのルールは、子どもたちが互いに尊重し合い、トラブルを避けるための基本的な考え方だと思います。
とはいえ、親である私も、自分の価値観や常識だけで判断しすぎないよう気をつける必要があると感じました。娘が中学に進学すれば、親のコントロールが及ばなくなる場面も増えていくでしょう。その時に備えて、今のうちから親子でコミュニケーションを深める努力が必要だと痛感しています。
今回の出来事を受けて、娘と話し合いました。
「中学に入ってからも、LINEでどんな人と交流しているのか、たまに教えてもらえると嬉しいな。内容は見ないからね。でも、グループに入る時には、その目的が自分にとって合っているか考えてみてね。そして、もし勝手に追加されたら、理由を伝えて退会する勇気を持つこと。それが自分を守る第一歩で、大人になる準備でもあるんだよ。」
親として完璧な対応はできなくても、娘と一緒に考えながら成長していきたいと思っています。同じような悩みを抱える親御さんたちの参考になれば幸いです。
#家庭教育、#LINE